TBS HD、米Legendary Entertainmentと戦略的パートナーシップ締結 1.5億ドル出資で日本発IPのグローバル展開を加速

TBS HDが米Legendary Entertainmentと戦略的パートナーシップを締結し、1.5億ドルを出資。『DUNE』『ゴジラ』のスタジオと連携し、THE SEVENを軸に日本発IPのグローバル共同制作・開発を加速させる。

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(左)TBS ホールディングス取締役 中谷弥生氏、(右)Legendary Entertainment CEO Josh Grode氏
(左)TBS ホールディングス取締役 中谷弥生氏、(右)Legendary Entertainment CEO Josh Grode氏

株式会社TBSホールディングス(以下、TBS HD)は1月16日、ハリウッドを拠点とする映画スタジオLegendary Entertainment(以下、レジェンダリー)に対し、1億5000万ドル(約237億4350万円)の出資を行い、戦略的パートナーシップを締結したことを発表した。『DUNE/デューン 砂の惑星』や「モンスター・ヴァース」シリーズなどで知られる世界的スタジオとの連携により、日本発のIP(知的財産)を活用したグローバルコンテンツの共同開発・制作を本格化させる 。

1億5000万ドルの戦略的出資と提携の枠組み

TBS HDは今回の契約に基づき、レジェンダリーの株式(少数持分)を1億5000万ドルで取得した。為替レートは1ドル158.29円(1月13日時点)換算で、日本円にして約237億円規模の大型投資となる。

本取引後も、レジェンダリーの経営権は引き続き既存株主である経営陣およびアポロ・グローバル・マネジメント関連ファンドが維持し、対等な支配株主として運営を継続する。また、本パートナーシップは独占的なものではなく、両社の事業拡大を柔軟に後押しする形をとる。

この提携の核心は、レジェンダリーが持つハリウッド水準の開発・制作・マーケティングノウハウと、TBSグループが日本市場で長年培ってきたクリエイターや出版社との信頼関係・IP開発力を融合させる点にある。両社は今後、日本発のIPを原作とした複数の映像作品を継続的に共同企画・開発していくことで合意している。

「THE SEVEN」を中核としたグローバル制作体制の確立

TBSグループは、長期ビジョンとして自社コンテンツの海外展開および制作能力の国外拡張を掲げている。今回の提携において実務的な中核を担うのが、TBSグループの海外戦略スタジオ「THE SEVEN」および、米国拠点である「THE SEVEN US, INC.」だ。

「THE SEVEN」は、Netflixシリーズ『今際の国のアリス』や『幽☆遊☆白書』など、漫画原作の実写化において世界的な成功を収めた実績を持つ。また、2025年10月に設立された米国子会社「THE SEVEN US」は、北米における事業拠点として約280億円規模の増資を受けており、今回のレジェンダリーとの連携においても、これらのリソースを最大限に活用し、コンテンツ投資と共同開発を推進する構えである。

レジェンダリー側も、TBSを「現地のクリエイティブ・エコシステムにおいて中心的な役割を果たす企業」と評価しており、日本の有力なIPホルダーやクリエイターとのネットワークへのアクセスを重視している。

レジェンダリーの実績と日本IPとの親和性

レジェンダリーはこれまで、『ゴジラ×コング』などのモンスター・ヴァースシリーズ、『名探偵ピカチュウ』、現在制作進行中の『GUNDAM(仮称)』や『ストリートファイター』など、日本の有力IPをベースにした超大作を数多く手がけてきた実績がある。

TBS HD取締役(CGO・成長戦略担当)の中谷弥生氏は、「レジェンダリーの圧倒的なクリエイティビティとIP構築力は、我々の海外戦略において強力な武器となる」とコメントしており、日本発IPを世界的なフランチャイズへと昇華させるパートナーとして最適であるとの認識を示した。

一方、レジェンダリーのCEOであるジョシュ・グロード氏も、TBSとの協力により日本市場での関係を深め、才能あるクリエイターへの敬意を持ちながら、豊かなIPを世界中の観客に届けることに意欲を見せている。

企画開発の初期段階から日米の有力スタジオがタッグを組むことで、日本発コンテンツのグローバル市場におけるプレゼンスを飛躍的に高める契機となりそうだ。

《杉本穂高》

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杉本穂高

Branc編集長 杉本穂高

Branc編集長(二代目)。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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