株式会社博報堂DYミュージック&ピクチャーズと立命館大学アート・リサーチセンターは2025年10月27日、アニメーションにおけるジャンル体系の統合と、内容の経時的変遷に関する共同研究を開始することに合意したと発表した。細分化・多様化が進む現代のアニメジャンルの全体像を把握し、ファン層の意識理解を深めることが目的。
多様化するアニメジャンルを可視化・統合
本共同研究では、配信プラットフォーム、アニメ情報サイト、レビューサイト、ウィキペディアなど、媒体ごとに異なる複数のジャンル体系をまず可視化する。その上で、それらを俯瞰的な視点から統合することにより、多様化するアニメジャンルの全体像を明らかにすることを目指す。
これにより、ジャンル構造の全体的な把握と、アニメーション内容の時代に伴う変遷を分析することが可能になると期待される。
テキストマイニング等でマクロトレンド分析を推進
両者はこれまでも、アニメのマクロトレンド分析を目的としたデータ基盤の構築や、関連ツール、知識体系の整備に取り組んできた経緯がある。

立命館大学映像学部の福田一史准教授を中心とする研究チームは、博報堂DYミュージック&ピクチャーズと連携し、事前調査を実施。アニメ作品のあらすじを対象としたテキストマイニングによる物語トレンドの変遷分析や、キャラクターの瞳や髪の色に関するマクロ的な傾向分析などの実績を有する。

ビジネスと学術の共創でファン層の実像に迫る
今回の共同研究は、アニメファンへのより魅力的なコンテンツ提供を目指す博報堂DYミュージック&ピクチャーズと、芸術や技術に関する歴史的・社会的観点からの研究・分析力を有し、アニメ分野を含む日本コンテンツの学術研究を推進する立命館大学アート・リサーチセンターとの共創となる。
エンタテインメントビジネスの知見と学術的な分析力を融合させ、日本のアニメファン層の最新の実像を捉えることを目標に、研究を進めていく方針だ。




