米国時間の5月4日にトランプ大統領が発した「映画関税」は、詳細は不明なまま、世界の映画産業全体に混乱が波及している。各国、および映画業界、団体の反応は様々だ。
イギリス映画の数万人に影響が出る
トランプ大統領の狙いは、外国映画の排除よりも、国外に流出しているハリウッド映画の撮影・制作を国内に呼び戻すことだ。その流出先の最大手のひとつであるイギリスだ。現在、『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』はイギリスを中心に撮影が進んでいる。今後も『スパイダーマン:ブラン・ニュー・デイ』や『スター・ウォーズ:スターファイター』などが撮影予定とされている。
ガーディアン紙によると、2024年のイギリスの国際映画制作の支出は19億ポンドに達しており、米国からの投資は前年比で83%増とのことだ。これらはハリウッドの大型映画の誘致の結果であり、仮にこうした大型作品の撮影が全て、米国に回帰するとなったらイギリスの映画産業はどうなるのか。