ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの制作労働者が、初となる労働組合契約を批准し、歴史的な第一歩を踏み出した。
The Hollywood Reporterによると、3月5日(現地時間)に行われた批准投票では、参加した交渉メンバーの93%が2月13日に合意に達した協定を支持する票を投じ、7%が反対票を投じた。この協定により、同組織の制作コーディネーター、制作スーパーバイザー、制作マネージャーは、IATSE(国際舞台演劇・映画従事者同盟)およびアニメーション・ギルドと組合を結成する資格を認められたことになる。また、制作コーディネーターらに対し、年金と健康保険、最低賃金の増額を提供し、組合は交渉の結果、制作マネージャーの最低賃金は24%、制作スーパーバイザーは29%、制作コーディネーターは35%の引き上げとなったと主張している。
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの制作労働者は、2022年に労働組合の組織化を開始し、その努力は翌年の全米労働関係委員会での投票に結実。参加した組合員のおよそ93%がアニメーション・ギルドへの加入に投票し、組合にとって決定的な勝利に。最初の契約をめぐる交渉は、2024年4月11日に始まった。
ここ数年、アニメーション・ギルドは、業界全体で制作に関わる労働者を組織化しようとしてきた。ディズニーでの交渉は、長編映画の制作に携わる労働者たちが、初めて組合を作るための活動として重要な意味を持つ。ディズニーの組合運動に続き、2024年初頭にドリームワークス・アニメーションでも組合設立の動きが公になったという。
Varietyによると、制作コーディネーターのタマラ・リー氏は労働組合契約の批准について、「険しい道のりでしたが、ついに頂上に到達しました。より強く、より大胆に、そして団結して突破口に立っています」とコメントしている。制作スーパーバイザーのニコラス・エリングスワース氏は、「ハリウッドでは、誰もが弱者の物語が大好きです。我々が得た批准も、まさにそれです。つまり、低賃金で働く過小評価された人々が団結し、芸術界の同僚たちと同等の賃金と平等を要求したのです。最終的に我々の声は聞き入れられて認められ、制作管理の環境をさらに改善する道筋ができました」と述べた。
現在、ドリームワークス・アニメーションの制作労働者も契約交渉を進行中で、今回のディズニーとの合意の条項がそれらに影響を及ぼす可能性があることも示唆されている。