アカデミー賞作品賞に輝いた韓国映画『パラサイト 半地下の家族』や『落下の解剖学』などを配給し急成長中の、米インディペンデント映画制作・配給会社NEONが、資金2億ドル(約310億円)を調達したことが明らかとなった。
これまでに、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した4作品を配給したNEONは、今年も快進撃を続けている。ニコラス・ケイジ主演の心理ホラー映画『Longlegs(原題)』は同社にとって史上最大の興行収入を記録し、シンデレラストーリーのその後を描いた『ANORA アノーラ』で5度目のパルム・ドールに輝いた。
資金が増えれば予算が大きくなり、より野心的な商業プロジェクトが生まれる可能性がある。この流れは、NEONにとって最大のライバルとなる米映画制作会社A24が拡大を図ってきた戦略を彷彿とさせる。今夏にA24は、2億5,000万ドル(約387億円)相当と推定される新たな投資ラウンド(投資家がスタートアップに対して投資を行うフェーズ)を獲得したばかりだ。
The Hollywood Reporterによると、コメリカ銀行のエンターテインメント部門で上級副社長を務めるデレク・リーデル氏は、NEONへの融資について声明を発表。「コメリカはNEONのビジョンを信頼しており、彼らの継続的な成長を支援できることを嬉しく思っています。映画を見極めて厳選する能力に加え、観客と映画を繋ぐ革新的な手法を見つけ出す才能は比類なきものです」と述べた。拡大を続けるNEONには待機作として、ブーツ・ライリー監督による『I Love Boosters(原題)』、初期のヒット作となるホラー映画『イット・フォローズ』の続編映画『They Follow(原題)』などが控えている。その他にも、 女性の自由を求める抗議デモの実情をテーマにしたイラン映画『The Seed of the Sacred Fig(原題)』、マイケル・コヴィーノ監督のコメディ映画『Splitsville(原題)』などが新作として名を連ねている。
急成長を続けるNEONが、次はどんな傑作を放つのが注目していきたい。