フリューは新規事業の整理に着手か……『ゆるキャン△3』はアニメ事業継続の試金石に!?【決算から映像業界を読み解く】#60

アニメ『ゆるキャン△』シリーズを手掛けるフリューのアニメ事業が正念場を迎えている。

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アニメ『ゆるキャン△』シリーズを手掛けるフリューのアニメ事業が正念場を迎えている。

フリューにはアニメやゲーム、広告プランニングなどのサービスを内包するフリューニュービジネスという事業がある。この事業は戦略の再構築を行っており、1~2年で新規事業の選択と集中を実施。集中事業に経営資源を投入する方針を掲げている。

『ゆるキャン△』は1期から2期の放送を経て映画化を果たし、制作会社を変えて3期を放送するという異例のプロジェクトを敢行した。3期はいわばアニメ事業の集大成であり、事業の行く末を握っている。

オムロンのエンタテインメント分野が独立分離して誕生した異色の会社

フリューはオムロンにおける「コロンブスプロジェクト」のエンタテインメント分野の新規事業の立ち上げで1997年4月に誕生した。最初に取り組んだのが似顔絵シール機の商品化だ。2001年12月に携帯コンテンツ事業、2002年1月にプライズ事業をスタートするなど、次々と新サービスを生み出した。

2002年4月にオムロンのエンタテインメント事業部に昇格。2003年7月にオムロンエンタテインメントを設立し、全事業を承継した。2007年4月にMBOを実施して全事業と全従業員をフリューが受け継いでいる。

オムロンの社内ベンチャーとして誕生し、その後MBOを実施して親会社から独立したため、ベンチャースピリットに溢れる会社だ。そのような背景もあり、展開するサービスの幅は広い。クレーンゲームの景品、高価格帯ホビー、プリントシール機、カラーコンタクト、レタッチソフト、スマートフォンゲーム、アニメーションなどを扱っている。

主力事業はクレーンゲームの景品などを扱う世界観ビジネス事業。全売上高の半分以上を占めている。プリントシール機のガールズトレンドビジネス事業の売上構成比率はおよそ4割。残り1割ほどが、アニメやゲームなどのフリューニュービジネス事業だ。

業績は堅調に推移している。2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の売上高は前期比17.5%増の427億6,800万円、営業利益は同76.6%増の37億7,100万円だった。

決算短信より筆者作成

成長をけん引しているのがクレーンゲームの景品。このサービスの2024年3月期の売上高は前期比51.3%増の174億9,800万円だった。一方、アミューズメント施設向けのプリントシール機は停滞感が漂う。

2024年3月期の売上高は前期比1.8%増の74億7,000万円。4Q単体(2024年1月1日~2024年3月31日)では2.2%の減収だった。プリントシール機の直営店も伸び悩みが鮮明になってきており、フリューは2025年3月期の売上高を前期比0.5%増の430億円、営業利益を同20.4%減の30億円と予想している。

ここ最近の業績はプライズゲーム市場とともに拡大してきたと言える。景品需要が一服すると、成長性が失われるリスクがあるのだ。

映画のヒットからの反動で3割の減収

そこで新規事業が重要な役割を果たす。フリューニュービジネスは2024年3月期は35億円だった売上を、将来的に100億円規模にまで成長させる計画だ。

アニメ事業はフリューの社内ベンチャーとして誕生している


《不破聡》

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