イマジカグループ、ゲームとIP創出で2025年度に売上高1,100億円を目指す【決算から映像業界を読み解く】#57

IMAGICA GROUPが事業展開で新たな局面を迎えている。ゲーム関連事業やIP創出などの既存事業を発展させる新たな取り組みを強化しているのだ。

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【決算から映像業界を読み解く】#57
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イマジカグループが事業展開で新たな局面を迎えている。ゲーム関連事業やIP創出など既存事業を発展させる新たな取り組みを強化しているのだ。

2023年4月に子会社IMAGICA GEEQがゲーム事業を本格的に展開。企画から制作、販売促進、人材派遣までのゲーム制作に必要なサービスの提供に乗り出した。イマジカインフォスが発行する『薬屋のひとりごと』は、TVアニメ化されてヒット。すでに2期の制作も決定している。

イマジカは映画用フィルムの現像などを行うことを目的として創業した極東現像所が前身。映画などの映像作品を下支えする事業展開に強みを持っていたが、ゲーム業界への進出で事業領域を広げ、IP創出で映画やアニメーション、ドラマの川上にアプローチしている。

ハリウッドのストライキで収益構造に変化が

2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の売上高は、前期比5.9%増の996億円、営業利益は同1.4%増の39億円だった。2025年3月期は売上高を前期比1.7%減の980億円、営業利益を同5.7%減の37億円と予想している。2023年3月期は2桁増収、営業増益だった。そこからトーンダウンしている。

決算短信より筆者作成

その要因になっているのがハリウッドのストライキだ。イマジカは2019年にアメリカのPixelogic Holdings,LLCを持分法適用関連会社化し、2020年に子会社化した。この会社は映画やドラマのローカライズを手がけており、映像作品を流通させるために必要な字幕や吹き替え、視聴するフォーマットに合わせたデータの加工・整理などを行っている。

イマジカはPixelogicを含む映像制作技術サービスが売上高の半分以上を占めている主力事業だ。この事業の2024年3月期の売上高は、前期比0.3%減の539億円だった。ハリウッドのストライキで新作が遅れ、ローカライズの売上が減少。減収に伴って営業利益は43.5%の14億円となっていた。

2025年3月期の映像制作技術サービス事業は、売上高を前期比2.2%増の551億円と弱気の予想を出している。ソニーも今期の映像事業は減収見込みで、ストライキは今なお深刻な影響を与えているといえる。


ただし、2024年3月期のイマジカの業績は、既存の主力事業に依存しない収益構造に変化していることを予感させる内容だった。映像コンテンツ事業が大幅に伸長したのである。同事業の売上高は前期比19.8%増の281億円、営業利益は1.4倍となる12億円となった。

事業別営業利益の推移を見ると、映像制作サービスの落ち込みを映像コンテンツが補っている様子がわかる。

決算短信より筆者作成

イマジカは2024年3月期に劇場映画『ゴジラ-1.0』、Netflix映画『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』、同じくNetflixシリーズ『幽☆遊☆白書』などの大型作品を手がけた。『ゴジラ-1.0』は北米で興行収入81億円というアジア作品で異例のヒットを飛ばしたが、イマジカは北米用のキービジュアルポスターやトレーラー映像の制作、マーケティング、スクリーン上映劇場ディストリビューションなどを担当している。

そして『薬屋のひとりごと』のヒットもこれに加わった。


《不破聡》

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