イタリア文化省、映画・テレビ製作における税額控除の改正案を提出

改正案ではイタリアの映画やテレビシリーズには40%の税額控除が適用されるものの、より厳しいルールが適用されるとのこと。

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イタリア文化省、映画・テレビ製作における税額控除の改正案を提出
Image by vwalakte on Freepik イタリア文化省、映画・テレビ製作における税額控除の改正案を提出

イタリア文化省のオーディオビジュアル総局長ニコラ・ボレッリ氏は、イタリア南部のカラブリアで開催された第3回オーディオビジュアルプロデューサーサミットにて、イタリアの映画・テレビ製作にかかる税額控除についての改正案を提出したことを明らかにした。

40%と高い税額控除が適応されるこの取り組みは、コロナによるパンデミック後に導入されイタリア国内の制作レベルを押し上げるのに役立ってきており、過去2年間で『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾート』シーズン2やアンドリュー・スコット主演のNetflixシリーズ『リプリー』などが撮影された。昨年から、イタリアの才能やロケ地、ストーリーに焦点を当てた税額控除の改革に取り組んでおり、映画制作会社は変更が確認されるまで撮影を延期していた。

ボレッリ氏によると、改正案ではイタリアの映画やテレビシリーズには40%の税額控除が適用されるものの、より厳しいルールが適用されるとのこと。国際作品の場合は、イタリア人監督やキャストの起用、イタリア国内での経費の最低限度額設定などのアップデートも含まれるという。さらにAIではなく人間が行った作業にのみ控除が適用されるようになり、資格を得るためにはイタリアでの撮影が少なくとも1日行われる必要がある。

ルチア・ボルゴンゾーニ次官は、Screen DailyVarietyでのインタビューで、改革はイタリア財務省のサインを待っているところで「夏までには完了する」と述べた。同省によれば、この改革は税額控除の財源を減らすことを目的としたものではないとのことだ。また国際的なイタリアの物語を伝える映画作品やシリーズを対象に、新たに5,200万ユーロの基金を創設するとし、「グッチやフェラーリを題材にした、イタリア人が登場する共同製作のようなストーリーを、イタリアのプロデューサーたちに作ってもらいたい」と述べた。
《伊藤万弥乃》
伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

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