Photo by John Lamparski/Getty Images for Disney/Pixar
ディズニー傘下となり、『ファインディング・ニモ』や『トイ・ストーリー』シリーズ、『モンスターズ・インク』など数多くの大ヒット作を放ってきたアニメーション・スタジオのピクサーが、人員削減を計画していることが明らかとなった。
第一報を伝えたTechCrunchによると、レイオフの規模は20%に達する見込みで、それはピクサーの従業員が1,300人から1,000人以下に減少することを意味している。しかし、ピクサーは「20%という数字は大きすぎる」と見ており、解雇される従業員の数は、制作スケジュールや今後ゴーサインが出る映画のために配置される人員などの要因によって変わるため、現時点では明らかではないとのこと。ピクサーでは、2024年に公開される『インサイド・ヘッド2』のほか、2025年に『星つなぎのエリオ』、2026年にはタイトル未定の映画2本のリリースが控えている。
同スタジオによると、現時点で人員削減は差し迫ってはおらず、スタジオがコンテンツの制作を減少させることにフォーカスするため、2024年後半に実施される予定だという。
2023年にリリースされたピクサー製作のアニメ映画『マイ・エレメント』は、最終的に5億ドル(約725億円)の世界興行収入を上げ、同年第4四半期にはDisney+でヒットした作品の一つとなったが、オープニング興収はピクサーの28年間にわたる歴史において最悪のデビューとなり、当初は興行的な大失敗作と見なされた。
同作は時間の経過とともに不振を挽回したものの、ピクサーでは2020年公開の『2分の1の魔法』や、2022年の『バズ・ライトイヤー』などヒットに恵まれなかった作品が続き、ディズニーは公開戦略の検討を余儀なくされる事態に。コロナ禍で、ピクサーの『ソウルフル・ワールド』と『あの夏のルカ』、『私ときどきレッサーパンダ』は米国では劇場公開されず、Disney+独占でリリースされた。
Varietyによると、2023年2月にディズニーが発表した大規模な人員削減により、同社は『バズ・ライトイヤー』の製作総指揮者2人とオリジナル版『トイ・ストーリー』から関わっていたアニメーター2人を含む幹部75人を解雇し、同年5月には7,000人をレイオフする目標を達成。その数は最終的に8,000人を超え、解雇対象者は現時点で収益性の低い、Disney+を含むメディア部門に重点が置かれた。この人員削減は、コストを55億ドル削減するというCEO(最高経営責任者)ボブ・アイガー氏による計画の一環で、2023年第4四半期の投資家会議で同氏は、「2024年最大の目標は、ストリーミングを収益性の高い成長ビジネスに変えること」だと語っていた。