Disney+がアカウント共有の取り締まりを2024年に開始予定、カナダ&欧州でAVODを展開

Netflixに続き、ディズニーも共有アカウント収益化に乗り出す。さらにAVOD(広告付きプラン)の地域も拡大。

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ボブ・アイガー
Photo by Mike Coppola/Getty Images ボブ・アイガー

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Varietyによると、8月9日(水)に開催されたディズニーの第3四半期決算報告会で最高経営責任者(CEO)のボブ・アイガー氏が、Netflixに続く形で多額の経済的損失を食い止めるため、2024年よりDisney+でアカウント共有の取り締まりを開始すると発表した。

Disney+がアカウント共有の取り締まりを開始し、10月より料金も値上げに

現在、米国でバンドルサービスとなるDisney+とESPN+、Huluの加入者契約でパスワード共有について言及されているのは、「顧客はログイン情報を第三者と共有できない」という点のみで、 現時点では、同居していない友人や家族にアカウントを使用させても問題ないかどうかについては特に触れていない。

7月1日までの3カ月間でDisney+の加入者数は世界的に80万人増加し、前四半期比1%増の1億570万人となった。この数字には、ディズニーがインディアン・プレミアリーグのクリケット配信権を失ったことで、加入者数が24%減少したDisney+ Hotstarのユーザーは含まれていない。 米国とカナダにおけるDisney+の加入者数は約 30万人減少して4,600万人となり、Huluは30万人増加して4,400万人に達したが、ESPN+はほぼ横ばいの2,520万人だった。


アイガー氏は、「我々はアカウント共有に対処する方法と、有料加入者がアカウントを友人や家族と共有するための最良のオプションを積極的に模索しています。今年後半に、共有ポリシーに関する追加条項を盛り込んだ加入者契約の更新を開始し、2024 年内に収益化を促進する戦略を展開する予定です」と述べた。

また、ディズニーはアカウント共有の取り締まりに加え、米国におけるDisney+、Hulu、ESPN+のスタンドアロン・プレミアム枠の値上げも発表。10月1日より、Disney+プレミアムは月額10.99ドル(約1,600円)から13.99ドル(約2,000円)、Huluは14.99ドル(約2,200円)から17.99ドル(約2,600円)、 ESPN+は9.99ドル(約1,450円)から10.99ドル(約1,600円)へ料金がアップ。広告付きプランは7.99ドル(約1,160円)でそのままだが、9月6日にスタートするHuluとDisney+のバンドルプランの料金は19.99ドル(約1,900円)に設定されている。日本国内での対応については不明だ。

なお、Netflixは加入者が減少したことを受け、5月中旬に共有パスワードの収益化を100カ国以上で展開。その結果、Netflixは 第2四半期に590万人の加入者を獲得し、その数字は大目に見積もっていたアナリストの予想を2倍以上も上回った。


Disney+がヨーロッパとカナダでAVODを立ち上げ

TBI Visionによると、さらにアイガー氏は決算報告会で、11月1日より複数の国でDisney+のAVOD(広告付きプラン)を開始することも発表。英国、フランス、ドイツ、スイス、イタリア、スペイン、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、カナダでAVODをローンチの予定で、アイガー氏によると、米国の新規加入者の40%が広告プランを利用しているとのこと。

例を挙げると、フランス、ドイツ、イタリア、スペインで広告プランの料金は5.99ユーロ(約950円)になる予定で、広告なしプランは8.99ユーロ(約1,430円)となっている。

この動きは、ディズニーが過去3カ月間の広告付きプランのD2C(消費者直接取引)で、若干の利益を上げたことを受けている。第3四半期のストリーミングによる損失は5億1,200万ドル(約745億円)で、前年同期の10億6,000万ドルから減少し、D2Cの収益は9%増の55億3,000万ドル(約8,040億円)だった。

《Hollywood》

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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。