#MeTooから6年、ハリウッドのハラスメントは改善傾向にあるが46.2%は「過去1年間に虐待や不祥事を経験」

「#MeToo」のハッシュタグが広まってから6年経ち、新たな調査では、エンターテインメント業界で働く従業員の多くがハラスメント文化は改善傾向にあると感じていることが分かった。一方で、未だ被害に遭っている人が絶えていない現状も。

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#MeTooから6年、ハリウッドのハラスメントは改善傾向にあるが46.2%は「過去1年間に虐待や不祥事を経験」
Photo by Alex Wong/Getty Images #MeTooから6年、ハリウッドのハラスメントは改善傾向にあるが46.2%は「過去1年間に虐待や不祥事を経験」

「#MeToo」のハッシュタグが広まってから6年経ち、エンターテインメント業界で働く従業員の多くがハラスメント文化は改善傾向にあると回答している一方で、未だ被害に遭っている人は絶えない。

非営利団体のWomen In Film(以下WIF)が今年9月、266人の回答者を対象に調査を実施。参加者は、映像業界の現従業員または元従業員で、回答者の95.4%が女性、1.9%が男性、2.7%がノンバイナリーまたはその他の性別であると回答している。参加者には、有色人種、トランスであることを自認する人、LGBTQ+コミュニティの一員である人も含まれている。

Varietyが入手した調査結果によると、回答者の59%が「ハリウッドにおける虐待、ハラスメント、不祥事をめぐる文化は昨年より改善された」と考えている。これは2022年の調査と比較すると33.7%減少しているが、それでも回答者のほぼ半数である。

一方で、回答者の46.2%が「過去1年間に自分または知り合いが虐待や不祥事を経験した」と答えている。その中で「私は主に男性を雇用する会社で働いていた。私のルックスや服装、体重はいつも話題になっていた」と答える回答者も。別の回答者は「私はこの業界で就いたほぼすべての仕事で差別からハラスメントを経験し、複数の女性の友人にもそれが起こるのを目撃した」と書いている。さらに、「初めて仕事をしたときに“なぜ男性の方がもっと稼いでいるのか”と尋ねた結果、解雇された」「初めて仕事をしたセットで性的暴行を受け、担当していた番組のタレントから不正な写真を送られた」とも書いている。

2017年10月にハーヴェイ・ワインスタイン氏に関する記事がニューヨーク・タイムズ紙とニューヨーカー紙に掲載され、ワインスタイン氏やセクハラや虐待で告発された権力者に対する疑惑が浮上し6年が経ったが、2023年現在もエンターテインメント業界の権力者たちに対する告発は後を絶たない。最近では、女優のジュリア・オーモンド氏がワインスタイン氏に対して性的暴行で訴訟を起こし、ワインスタイン氏の行動を可能にしたとされるCAAとディズニーも訴えたと報じられている。

撮影現場でのハラスメントや虐待を報告するために2017年12月に創設されたWIFヘルプラインは、2022年には撮影現場での出会いだけでなく、エンターテインメント業界のあらゆる側面を含むように拡大された。過去1年間で、通報者の20%が暴行を経験し、91%が精神的・メンタルヘルスのサポートを求めている。

Another Source:Indie Wire
《伊藤万弥乃》

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伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。