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8月30日から9月9日まで開催された第80回ヴェネチア国際映画祭は閉幕し、受賞結果が発表された。
コンペティション部門で最高賞の金獅子賞を受賞したのは、エマ・ストーン主演、ヨルゴス・ランティモス監督の『哀れなるものたち』。監督は受賞スピーチで、2018年のオスカー受賞作『女王陛下のお気に入り』以来となる本作の製作には長い時間がかかったと語った。次いで、銀獅子賞(審査員大賞)は濱口竜介監督の『悪は存在しない』が受賞した。濱口監督は、映画『偶然と想像』で第71回ベルリン国際映画祭の審査員グランプリ(銀熊賞)を受賞、映画『ドライブ・マイ・カー』では第74回カンヌ国際映画祭で日本映画初となる脚本賞を含む計3部門を受賞しており、それに続く今回の受賞で世界3大映画祭を制覇する快挙となった。
授賞式で「このような素晴らしい賞をいただけるとは、この企画が始まった時は思いもよりませんでした。音楽の担当でもありこの企画の発案者でもある石橋英子さんに感謝をしたいと思います」とコメント。日本では2024年に公開される。
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また、ベラルーシとEUの国境危機における移民の苦境を描いたアグニエシュカ・ホランド監督の『Green Border』が審査員特別賞を受賞。ポーランドのズビグニエフ・ジオブロ法務大臣を含むポーランドの極右政権のメンバーは、この映画についてネット上でホランド監督を攻撃し、“ナチスのプロパガンダ”と比較した。監督は、もしジオブロ氏が正式に謝罪し発言を撤回しなければ、名誉毀損で訴えるつもりだと語っている。
イタリアからはマッテオ・ガローネ監督が『Io Capitano』で監督賞を受賞。ガローネ監督は、映画の一部が撮影されたモロッコで地震により1,000人以上の死者が出たことから、モロッコの人々に賞を捧げた。本作で新人のセイドゥ・サールは、本作でヨーロッパを目指して家を出るセネガル人ティーンエイジャーを演じ、最優秀若手男優賞を受賞した。
さらに、ケイリー・スピーニーがソフィア・コッポラ監督の『Priscilla』でプリシラ・プレスリーを演じ、最優秀女優賞を受賞。ピーター・サースガードは、ミシェル・フランコ監督の『Memory』で認知症を患う男性を演じ、最優秀男優賞を受賞した。
🎥コンペティション部門 受賞結果
『哀れなるものたち』(イギリス、アイルランド、アメリカ)/ヨルゴス・ランティモス 🏆金獅子賞(最高賞)
『悪は存在しない』(日本)/濱口 竜介 🏆銀獅子賞(審査員大賞)
『Io Capitano』(イタリア、ベルギー)/マッテオ・ガローネ 🏆銀獅子賞(監督賞)、🏆マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)
『El Conde』(チリ)/パブロ・ラライン 🏆最優秀脚本賞
『The Green Border』(チェコ、ポーランド、ベルギー)/アグニエシュカ・ホランド 🏆審査員特別賞
『Priscilla』(アメリカ、イタリア)/ソフィア・コッポラ 🏆最優秀女優賞
『Memory』(メキシコ、アメリカ)/ミシェル・フランコ 🏆最優秀男優賞
『Comandante』(イタリア)/エドアルド・デ・アンジェリス
『The Promised Land』(デンマーク、ドイツ、スウェーデン)/ニコライ・アーセル
『Dogman』 (フランス)/リュック・ベッソン
『La Bete』(フランス、ドイツ)/ベルトラン・ボネロ
『Hors-Saison』(フランス)/ステファヌ・ブリゼ
『Enea』(イタリア)/ピエトロ・カステリット
『Maestro』(アメリカ)/ブラッドリー・クーパー
『Finally Dawn』(イタリア)/サヴェリオ・コスタンツォ
『Lubo』(イタリア、スイス)/ジョルジョ・ディリッティ
『Origin』(アメリカ)/エイヴァ・デュヴァーネイ
『The Killer』(アメリカ)/デヴィッド・フィンチャー
『Die Theorie Von Allem』(ドイツ、オーストリア、スイス)/ティム・クルーガー
『Ferrari』(アメリカ)/マイケル・マン
『Adagio』(イタリア)/ステファノ・ソッリマ
『Woman Of』(ポーランド、スウェーデン)/マウゴシュカ・シュモフスカ、ミハウ・エングレルト
『Holly』(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、フランス)/フィエン・トロッホ