マーベルの元幹部ヴィクトリア・アロンソ、解雇をめぐりディズニーと和解

先月突然解雇されたマーベルの元幹部ヴィクトリア・アロンソ氏が、その退職をめぐってディズニーと和解に至ったことが明らかになった。

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95th Annual Academy Awards - Arrivals ヴィクトリア・アロンソ
Photo by Arturo Holmes/Getty Images 95th Annual Academy Awards - Arrivals ヴィクトリア・アロンソ

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先月突然解雇されたマーベルの元幹部ヴィクトリア・アロンソ氏が、その退職をめぐってディズニーと数百万ドルの和解金で解決に至ったことが明らかになった。

IndieWireによると、詳しい和解の条件は明らかにされていない。ディズニーとアロンソの弁護士パトリシア・グレイザー氏にコメントを求めたが応じなかったとのことだ。

彼女の退社当時、スタジオ関係者は、解雇理由としてアカデミー賞にノミネートされた映画『アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~』のプロデューサーとして仕事をしたからだと述べていた。Amazon Studiosが配給し、彼女が8人のプロデューサーのうちの1人だったこの作品は、「ディズニーの従業員は競合するスタジオと仕事をしない」とする会社の規約違反に相当すると指摘されていた。


ディズニー側は、アロンソ氏がこのプロジェクトをプロデュースする許可を得ていなかったと主張していた。しかし、IndieWireは「プロデューサーのアクセル・クシェバツキーがアロンソを説得して、ディズニーとマーベルから製作の許可を得た」と報じた。

また、グレイザー氏は、アロンソ氏が"口封じ"をされ、さらに"批判に値すると信じたことを実行しなかったら解雇された"と主張した。その後、情報筋がVarietyに語ったところによると、その行為は『アントマン&ワスプ:クアントマニア』からあからさまにLGBTQの画像を削除することだったとのことだ。

グレイザー氏の声明に対して、ディズニーの広報担当者は、アロンソ氏が「議論の余地のない契約違反や会社の方針に対する直接的な違反など、彼女の去就に関するいくつかの重要な要素を省いた物語を共有していることは残念だ」と述べている。

在職中、アロンソ氏はスーパーヒーローのストーリーテリングにおけるより幅広い表現を提唱し、スタジオチーフのケヴィン・ファイギ氏の下で最も注目を集める幹部となった。2022年、マーベル映画やテレビ番組における視覚効果アーティストの扱いについて、耐え難い仕事量の要求と無理な納期を課しているとするいくつかの記事が出たことをきっかけに、彼女は非難を浴びた。

《伊藤万弥乃》

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伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

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