HBO MaxがDiscovery+を統合しリニューアル、「ハリー・ポッター」新ドラマシリーズなどを発表

ワーナー・ブラザース・ディスカバリーは、HBO Maxが5月23日から新たなプラットフォームとして生まれ変わると発表した。

グローバル 欧米

ワーナー・ブラザース・ディスカバリーは、HBO Maxが5月23日から新たなプラットフォームとして生まれ変わると発表した。

HBO Maxは優れたコンテンツを有しているが、万人に愛されるストリーミングサービスではなかったとIndieWireは報じている。火曜日に発表されたVarietyの調査では、HBO Maxは主要なストリーミングサービスの中で、2番目に良いユーザーインターフェースと2番目に悪いユーザーインターフェースの両方を獲得している。調査結果には、巻き戻しボタンや仮想キーボードのデザインなどの基本的な機能に対する不満や、バグや動作の停止が含まれていたとのこと。「HBO Maxのユーザーエクスペリエンスには一貫して怒りを覚える」と、調査対象の40人の匿名インタビューの1人が申し出ているほどだった。

新たなプラットフォームの名称は「Max」になり、HBO Maxの作品だけでなくニッチなコンテンツで知られるDiscovery+の多くが含まれることになる。また、HBO Maxに欠けていた、シリーズや映画を見終わった後のパーソナライズされたおすすめ番組、機能的なペアレンタルコントロール機能を備えたキッズプロファイル、再構築されたダウンロード機能などが追加され、UIも大幅に改善される予定とのこと。そして、新しいアプリのレスポンスとビデオの起動時間は20~30%速くなる。

CNBCによると、価格は現行のHBO Maxプランと同じで、CM付きが月額9.99ドル(約1,300円)、広告なしが月額15.99ドル(約2,100円)。「Max Ultimate Ad Free」と名付けられた19.99ドル(約2,600円)の新しいプランでは、4つの同時ストリーム、最大4K解像度、100のオフラインダウンロードが可能になる。

さらに、今後製作される作品の一つに、映画で絶大的な人気を誇る「ハリー・ポッター」の新テレビシリーズが挙げられたとVarietyが報じている。原作者J・K・ローリングも製作総指揮として参加する。HBO側は予算規模を「ゲーム・オブ・スローンズ」や「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」の名を挙げ、「質の高い番組を作るために必要なものなら何でも」と発言した。そのほか「ゲーム・オブ・スローンズ」のスピンオフ前日譚、「ビッグバン☆セオリー ギークなボクらの恋愛法則」の新しいコメディシリーズなどの制作も行われる予定とのことだ。

すでに発表されていた作品の予告編も公開された。『THE BATMAN -ザ・バットマン-』のスピンオフドラマの「The Penguin(原題)」やパク・チャヌク監督作でロバート・ダウニー・Jr.が複数の役を演じる「The Sympathizer(原題)」、ケイト・ウィンスレット主演の「The Regime(原題)」などだ。

The Sympathizer | Official Teaser | Max
The Hollywood Reporterによると、この発表後ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの株価は87セント・6%弱下落し、14ドル(約1,800円)になった。ワーナー・ブラザース・ディスカバリーは、第4四半期末時点で、HBO Max、HBO、Discovery+のいずれかを利用している全世界のストリーミング加入者が9,600万人を超えていた。このうち約5,500万人は米国とカナダからの顧客で、ユーザー一人当たりの平均月次売上は7.58ドル(約1,000円)だった。

HBO Maxは日本未上陸だが、3月にU-NEXTと⽶ワーナーブラザース・ディスカバリーとのSVODの独占包括パートナーシップ契約の強化が発表されたばかりだ。「ハリー・ポッター」の新シリーズ含め、今回発表された作品はU-NEXTで独占配信されることが予想される。


《伊藤万弥乃》

関連タグ

伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

編集部おすすめの記事