高知信用金庫は2026年10月14日、アニメーション制作を技術で支える「アニメテック研究」を始めると発表した。「高知アニメクリエイター聖地プロジェクト」の一環で、同プロジェクトが掲げる「GEAR」の始動に向けた取り組みとしている。
アニメ制作会社、3D・CGの研究者、制作会社の技術者が参加し、高知県内で撮影された写真・映像を活用して、背景制作を中心とする制作工程の効率化と新しい制作環境づくりを研究する。研究と実用化の基盤として、同金庫は「アニメテックサーバー」も構築した。
背景制作の効率化に焦点、制作現場の負担軽減を目指す
日本のアニメは海外からの注目が高まる一方、制作現場では作品の高度化や制作量の増加、人材不足を背景に、クリエイターの負担軽減と制作環境の改善が課題になっている。アニメテック研究は、新技術の導入そのものを目的とせず、実際の制作現場を出発点に、クリエイターが創作に集中できる環境をどうつくるかを探る。
主な研究テーマは三つ。一つ目は、高知各地で撮影された写真や映像から、実際の風景が持つ形、光、色、季節感、空気感をアニメの背景づくりに生かす方法。二つ目は、建物やまちなみ、自然などの実景と3D・CG技術を組み合わせ、背景制作の効率と表現力を高める方法。三つ目は、地域に蓄積された大量の写真・映像を、クリエイターが作品や目的に合わせて使える制作環境の構築だ。研究成果は実際のアニメ制作で試し、効果の有無、作品として必要な品質を実現できるか、実務で使えるかを検証する。

制作現場の立場から、高知を拠点にアニメ制作と人材育成を行うスタジオエイトカラーズの代表取締役・宇田英男氏が研究に参加する。デジタル技術を使った制作環境を追求してきた宇田氏は、多くの工程と人手を重ねて完成するアニメ制作の流れを効率化する方法を研究する。効率化によって生まれる時間や価値を、クリエイターの働き方や制作環境、将来の処遇改善に結びつけることも、研究の大きなテーマに位置づけられている。










