【カンヌ2026】第58回「監督週間」ラインナップ発表。日本から門脇康平・矢野ほなみ両監督のアニメーション作品が選出。

カンヌ国際映画祭2026の「監督週間」ラインナップが発表され、日本から門脇康平監督『我々は宇宙人』と矢野ほなみ監督『エリ』の2本のアニメーション作品が選出された。今年は19カ国から計28本が選ばれ、ドキュメンタリーとアニメーションが躍進。

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©NOTHING NEW, MIYU PRODUCTIONS
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カンヌ国際映画祭の独立部門である「監督週間」の公式ラインナップが発表された。

本部門は若手監督の登竜門および先鋭的なインディペンデント映画のショーケースとして知られ、昨年は李相日監督の『国宝』と団塚唯我監督の『見はらし世代』がノミネートされ注目を集めたが、今年は門脇康平監督『我々は宇宙人』と矢野ほなみ監督『エリ』の2本のアニメーション作品が選ばれた。


アニメーションとドキュメンタリーが躍進

第58回を迎える本年は、5大陸19カ国から長編映画19本、短編・中編映画9本が選出された。特にナイジェリア、スーダン、グアテマラ、ベネズエラ、キプロスといった、これまで国際的な露出が少なかった地域の作品が目立つ。

また、長編3本・短編2本が選出されたドキュメンタリーと、同じく長編3本・短編2本が選出されたアニメーションの存在感が際立っている。同じく独立部門である批評家週間にもアニメーション作品が選出され、見本市のマルシェ・ドゥ・フィルムでも「カンヌ・アニメーション」のプログラムが設けられるなど、カンヌがアニメーションに力点を置き始めている様子が窺える。


日本から門脇康平・矢野ほなみ両監督の作品が選出

日本からは2本のアニメーション作品が選出された。長編部門には、門脇康平監督の初長編作品『我々は宇宙人』が選ばれた。また、短編・中編部門には、矢野ほなみ監督のアニメーション作品『エリ』がラインナップ入りを果たしている。

『エリ』は、朝倉かすみの小説『ほかに誰がいる』を原作とした12分8秒の短編アニメーションだ。子どもを産まなければ生きていけない乳牛の世界を舞台に、同性に恋をする一頭の乳牛の姿を描く。モトーラ世理奈と南琴奈が声の出演を務めるほか、山村浩二氏が監修・プロデューサーとして参加。日本のAu PraxinoscopeとフランスのMIYU Productionsが手掛ける日仏共同製作作品となっている。

一方、門脇監督の『我々は宇宙人』選出に際しては、本部門のアーティスティックディレクターを務めるジュリアン・レジ氏から以下の絶賛コメントが寄せられている。

「本作は、異なる社会的背景を持つ二人の少年たちの成長と友情の物語です。印象的なビジュアルスタイルもさることながら、この映画の真骨頂は語り口にあります。断片的な記憶をたどるように物語は進み、人の記憶がいかに個人の歴史や経験した現実を塗り替えていくかを、繊細な感性で描き出しています」

さらに、本選出を受けて門脇康平監督からも喜びと期待を語るコメントが到着した。

「この度、カンヌ国際映画祭・監督週間に選出いただき、世界中の方々に作品をご覧いただく機会をいただけたことを、大変光栄に思っております。『我々は宇宙人』は、誰もが知っている普遍的な喜びや悲しみ、痛みといった感情を、非常に個人的な思い入れを込めたキャラクターとストーリーによって描いた作品です。本作のキャラクターたちが世界の皆さまにどのように受け止めていただけるのか、楽しみにしておりますし、多くの方の心に届く作品になると信じています」

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クレール・ドゥニ監督が「金の馬車賞」受賞

映画祭のオープニングセレモニーが行われる2026年5月13日には、フランスの映画監督協会によって創設された名誉ある「金の馬車賞(Carrosse d'Or)」が、クレール・ドゥニ監督に授与される。この賞は、その自由な視点と演出力で映画界に深い影響を与えた映画作家を称えるもの。

さらに同部門では、ビジネス的持続可能性を後押しする施策も充実している。2024年に創設されたカンヌ史上初の観客賞「Choix du Public(People's Choice)」が今年も実施され、受賞者にはシャンタル・アケルマン財団より7,500ユーロが授与される。また、受賞作品のプロモーションやヨーロッパ全土での劇場展開を支援する「Europa Cinemas」レーベルなど、クリエイターと映画館を結びつける業界ネットワークとしての機能も引き続き強化されている。

《杉本穂高》

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杉本穂高

Branc編集長 杉本穂高

Branc編集長(二代目)。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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