アドビ、映像制作ツールに他社AIモデル連携機能を追加。若手支援に1,000万ドルの拠出も発表

アドビはAI連携強化や機能拡充を行い、映像制作支援と若手育成に1,000万ドルを拠出した。

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アドビ、映像制作ツールに他社AIモデル連携機能を追加。若手支援に1,000万ドルの拠出も発表
アドビ、映像制作ツールに他社AIモデル連携機能を追加。若手支援に1,000万ドルの拠出も発表

アドビは2026年1月21日、サンダンス映画祭の開催に合わせ、「Adobe Premiere」および「Adobe After Effects」の新機能と、クリエイター支援を目的とした資金拠出について発表した。

同社によると、2026年のサンダンス映画祭に出品された作品の85%でアドビ製品が使用されている 。今回のアップデートでは、制作工程における外部AIモデルの活用と、3D・モーショングラフィックス機能の拡充が主な変更点となる。


GoogleやOpenAI等のモデルが利用可能に、「Firefly ボード」との連携強化

今回発表された新機能は、ビデオ編集ツールとアイデア創出プラットフォーム「Adobe Firefly ボード」の連携だ。

これにより、Adobe Premiereの利用者は、アドビ独自のAIモデルに加え、Google、OpenAI、Runwayなどが提供するAIモデルを制作フローの中で利用可能となる。具体的には、ブレインストーミングやコンセプト探索の段階でこれらのモデルを活用し、生成された素材やアイデアをPremiereへ直接送信して編集に移行できる仕組みだ。また、Runwayとは複数年のパートナーシップを結んでおり、アドビのワークフローを通じて次世代AIビデオモデルへのアクセスを提供するとしている。

また、Premiere単体では以下の機能が改善された。

  • オブジェクト選択とマスキングの自動化: AIによるマスキング機能が強化され、ロトスコープ処理(被写体の切り抜き)の所要時間が短縮された。

  • シェイプマスクの再設計: 楕円形や長方形などのマスク機能が調整され、顔のぼかしや部分的な照明調整などの制御性が向上した。

  • Adobe Stockの統合: アプリ内の「ストックパネル」から、5,200万点以上の素材を検索・プレビューし、ライセンス取得まで完結できるようになった。

After Effectsにおける3D機能とベクター連携の仕様変更

モーショングラフィックスソフト「Adobe After Effects」では、3D空間での表現力と他ツールとの連携が強化された。

  • ネイティブ3D機能の拡張: パラメトリックメッシュとシェイプを組み合わせた3D設計が可能となったほか、「スポットシャドウ」「平行シャドウ」機能が追加され、影の表現の幅が広がった。

  • 素材利用の拡充: 1,300点以上の無料Substance 3Dマテリアルが利用可能となり、アプリ内で質感の設定が行える。

  • Illustratorデータの保持: Adobe Illustratorからベクターデータを読み込む際、グラデーションや透明度の情報を編集可能な状態で維持する仕様に変更された。

  • タイポグラフィ: 「テキストアニメーター」がバリアブルフォントに対応し、キーフレーム等による制御が可能になった。


《杉本穂高》

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杉本穂高

Branc編集長 杉本穂高

Branc編集長(二代目)。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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