国際的なIP展開が進む中、マンガ産業においても「データ」の重要性が叫ばれている。しかし、国内の出版流通データこそ整備されているものの、海外市場の実態や、グッズ・映像化を含めたクロスボーダーな動きを可視化するのは容易ではない。
マンガIPの知見共有とコンテンツ産業の発展を目的にしたカンファレンス「IMART(国際MANGA会議 Reiwa Toshima)」にて開催されたセッション「漫画とデータ~リサーチ/分析専門家ディスカッション」では、マンガ・エンタメデータのスペシャリストが集結。これまで「ブラックボックス」とされてきた海外市場のリアルな数字や、データを用いた新たな編集・販促の形について、熱のこもった議論が展開された。
登壇者
菊池 健(一般社団法人MANGA総合研究所 所長 / モデレーター)
中山 淳雄(エンタメ社会学者 / MANGA総研-研究員)
岡﨑 早苗(NIQ/GfK Japan / Entertainment Senior Manager)
萬田 大作(株式会社コミチ 代表取締役)

「なんとなく」で語られてきた海外市場のリアル
セッションの冒頭、モデレーターの菊池氏は、マンガデータの現状について「国内と海外で様相が全く異なる」と指摘する。
国内においては出版科学研究所などの指標により市場規模が可視化されているが、海外に関しては「各国で日本マンガを単独で計測しているデータが存在しない」のが実情だという。これまではヒューマンメディアなどによる概算や、アメコミを含んだ「グラフィックノベル」としての市場規模(ICv2)しか手がかりがなく、特に電子コミックの正確な数字は把握困難な状況にあった。
これを受け、エンタメ社会学者の中山氏は、独自の調査結果を提示。

日本のマンガ市場は、アプリ消費を含めると実質1兆円規模に達しているとし、所有(単行本購入)から消費(アプリでの課金・閲覧)へとユーザー行動がシフトしている現状を解説した。
さらに米国市場に目を向けると、グラフィックノベル市場の約3分の1を日本マンガが占めるまでに成長。2010年代は横ばいだった市場が、ここ数年で急激に拡大していることをデータで示した。







