2025年11月、Netflixが広告付きプランの提供を開始してから3周年を迎えた。世界の動画配信市場を牽引する同社は、広告事業においても独自の「エンターテインメント・ファースト」の哲学を提唱している。
先日、Netflixの日本における広告事業を統括する田中俊之氏が記者向けレクチャーを行い、同社の広告事業のビジョンから、最新のテクノロジー、そして今年2026年の「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」に向けたライブ配信における広告戦略までを詳細に語った。
スーパーボウルのような広告体験を目指すNetflix
田中氏は冒頭、Netflix Adsについて「Netflixは広告プラットフォームではなく、あくまでエンターテインメントサービスだ」と強調した。同社のミッションである「Entertain the World(世界を楽しませる)」が広告事業の原点であり、存在意義だという。
Netflix作品は、SNS等で爆発的に広がる「ファンダム」に支えられており、そこには極めて高いアテンション(注視)が存在する。田中氏はこの状態を「夢中」と表現。Netflix Adsの最大の目標は、この「夢中」という特別な価値を阻害せずに、広告主のメッセージを届けることにある。
いかに「夢中」を維持したまま広告を届けるか。この点を重視し、日々ソリューション開発に取り組んでいると田中氏は語る。そのためNetflixは、広告の「量」と「質」のコントロールを徹底している。
ユーザーが過剰さを感じないようフリークエンシーキャップを厳格に定め、例えば同一ブランドの広告は「1日に3回まで、1時間に1回まで」と制限している。また、ミッドロール(本編中)広告は、脚本を理解した上で物語の切れ目やシーンの転換点に挿入するという。 なお、純広告・DSP経由を問わず、全ての広告素材に対して厳正な考査を行っているという。
田中氏はNetflix Adsの理想像を「スーパーボウル」に例えた。ハーフタイム中の広告が世界中で話題となり、クリエイティブそのものがエンターテインメントとして受容される。それこそが、同社が目指す広告の理想の姿だとした。





