日本のアニメーションが世界的な隆盛を極める一方で、その制作資金の調達手法や作品の傾向は、製作委員会方式という強固な枠組みの中で固定化されつつある。この現状に一石を投じ、日本のアニメにさらなる「多様性」をもたらす手段として、いま再び「コンテンツファンド」に注目が集まっている。
あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル(ANIAFF)で行われたカンファレンス「コンテンツファンドは日本のアニメーションに多様性をもたらすか?」では、金融と制作の最前線で活動する4名が登壇し、コンテンツファンドがなぜ活発化しているのか、そしてそれが日本アニメの未来をどう変え得るのかについて、議論が交わされた。
登壇者は、フリーランスプロデューサーとして本セッションのモデレーターを務める大西美枝氏、みずほ証券でコンテンツと金融の融合に取り組む富張周一郎氏、株式会社クエストリーを率いてエンタメ金融の新たな流れを創出する伊部智信氏、そしてドワーフの共同創設者としてストップモーション・アニメーション界を牽引する松本紀子氏の4名。
作品の幅を広げるために資金調達の多様化を
セッションの冒頭、大西氏は「世界中で日本のアニメが盛り上がっている今だからこそ、資金調達の方法や作品の幅を広げる必要がある」と本カンファレンスの意義を説明。特定のヒット法則に縛られない多様な作品を世に出すための資金調達手段として、ファンドが貢献できるのではないかという仮説が、議論の出発点となった。

富張氏と伊部氏の出会いは三年前にさかのぼる。伊部氏が、富張氏のもとを訪れたのが始まりだ。伊部氏は「日本では金融とエンタメに距離がある状態だが、それをなんとかしたい。コンテンツと金融を掛け合わせた新しい仕組みを一緒にやりませんか」と直談判。そこから、みずほ証券におけるアニメ映画制作への金融枠組み導入という、新たな仕事が動き出したという。一方、その2人と大西氏、松本氏の出会いは、半年前、京都市で開催されたスタートアップ・カンファレンス「IVS」のセッションで登壇したことがきっかけだった。










