ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの映画部門最高事業責任者に、Amazon MGMの元幹部テッド・リム氏が就任

リム氏は、Amazon・MGMで『チャレンジャーズ』や『クリード 過去の逆襲』の世界配給戦略を実行してきた。ワーナーでも今後の劇場公開期待作のグローバル戦略を推進する予定。

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ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの映画部門最高事業責任者に、Amazon MGMの元幹部テッド・リム氏が就任
Photo by Kevin Dietsch/Getty Images ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの映画部門最高事業責任者に、Amazon MGMの元幹部テッド・リム氏が就任

ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(以下、ワーナー)は、大作映画の公開が目白押しとなる今年に向けて準備を進めるなか、Amazon MGMスタジオの幹部だったテッド・リム氏を映画部門の最高事業責任者として採用した。

Deadlineによると、1月28日(火)、ワーナー・ブラザース・モーション・ピクチャー・グループの共同責任者であるマイケル・デ・ルカ氏とパメラ・アブディ氏が従業員宛ての書簡で、リム氏が新たに設けられた役職となる最高事業責任者に就任したと発表した。

ワーナーにおけるリム氏の任務

ワーナーでリム氏は最高事業責任者として、映画グループの戦略および運営計画を策定して実行していく。また、制作、マーケティング、配給全体の内部プロセスを最適化する取り組みを主導し、財務、損保、グローバル・ブランド・チームの各リーダーと連携してOneWBDとの整合を図りながら、新技術や革新的な手法の導入に関するガイダンスを提供する役目も担うという。

「OneWBD」は、映画やコンテンツを宣伝する際、劇場・ストリーミングなど異なるプラットフォームを連携させながら、それぞれに適したマーケティング手法を駆使する戦略だ。その戦略に伴い、リム氏はストリーミング、フランチャイズ、コンテンツセールス/ホームエンターテイメントなど多くの部門と連携し、協力していくことになる。

リム氏の経歴について

The Hollywood Reporterによると、2018年にリム氏はParticipant MediaからMGMに入社し、戦略・事業開発のシニアバイスプレジデントを務め、投資や買収に携わった。それ以前はディズニーの企業戦略・事業開発チームに所属するという、輝かしいキャリアを誇っている。

同氏はAmazon・MGMで、クリスマス・アクション映画『レッド・ワン』や賞レースで健闘した『チャレンジャーズ』、『クリード 過去の逆襲』などで配給戦略を担当して世界的ヒットに導いた。その他にも、公開待機作となる『ザ・コンサルタント』の続編やSF映画『Project Hail Mary(原題)』、『マスターズ 超空の覇者』のリブート映画『Masters of the Universe(原題)』などを監修している。

2025年ワーナーでは、ポン・ジュノ監督のSF映画『ミッキー17』をはじめ、ブラッド・ピット主演のカーレース映画『F1(原題)』、リブート映画『スーパーマン』などが公開予定だ。リム氏がどのようにこれらの大作映画のマーケット戦略を組み込みグローバルな成功へ導くのか、その手腕に注目が集まっている。

《Hollywood》

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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。

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