ニュージーランドの企業Parrot Analyticsと日本動画協会(AJA)が発表した報告によると、2023年における日本アニメの世界収益は、ストリーミングの55億ドル(現為替で約8,450億円)とマーチャンダイズ販売の143億ドル(約2兆2,250億円)を含む198億ドル(約3兆1,070億円)に達した。この膨大な数字は、日本アニメが持つ文化的および経済的な影響力の大きさを浮き彫りにしている。
2023年、アニメは世界ストリーミング収益の6%を占めた。その地域の内訳は、北米が全体の41%にあたる22億ドル、アジアは29%にあたる16億ドルだった。
一方、マーチャンダイジング収益はアジアが54億6,000万ドルでトップ、北米が49億7,000万ドルで続き、合わせて世界のアニメ・マーチャンダイズ販売の73%を占めている。ストリーミングよりも、圧倒的にマーチャンダイズの収益が多いことがわかる。
また、ストリーミングサービス業界を牽引するNetflixにおいても、日本アニメは大きな収益源となっている。2023年、日本アニメは同社に全世界での収益を20億ドル以上に引き上げ、アニメストリーミング総収益の38%を占有。日本アニメが、Netflixのコンテンツライブラリで重要な柱となっていることを示した。
Parrot Analyticsによると、手塚治虫記念館の名誉館長である手塚眞氏は、日本アニメの世界的な影響について、「その記録的な収益と世界的な影響力は、世界中の人々の心をつかみ、想像力を刺激し続けています」と発言。「AJAとParrot Analyticsのコラボレーションはクリエイターに新たな機会をもたらし、アニメの文化的遺産を繁栄させるとともに、日本がグローバルな舞台で新たな経済的機会を開拓することになるでしょう」と語った。Parrot Analyticsで幹部を務めるアレハンドロ・ロハス氏は、「日本は世界のエンターテインメント・エコシステムの中心であり、アニメはその創造力の明確な証です。ストリーミング経済とグローバル・エンターテインメント分析、IP(知的財産)の評価に関する当社の専門知識により、日本のクリエイターは新たな収益の機会を手にし、世界的な足跡をさらに拡大することが可能です」と述べた。
ここ近年、日本のアニメスタジオと海外企業のコラボレーションが増えていることから、今後も日本アニメのグローバルな認知度と市場シェアのさらなる拡大が期待されている。