UUUM、非上場化でVAZと同じインフルエンサーマーケティング色が強まる見込み【決算から映像業界を読み解く】#77

YouTuberマネジメントなどを行うUUUMが、親会社フリークアウト・ホールディングスによるTOBで非上場化される見通しだ。

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UUUM、非上場化でVAZと同じインフルエンサーマーケティング色が強まる見込み【決算から映像業界を読み解く】#77
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YouTuberマネジメントなどを行うUUUMが、親会社フリークアウト・ホールディングスによるTOBで非上場化される見通しだ。

フリークアウトはすでに52.39%の株式を保有している。53億円で残りの全株を取得し、非上場化を目指す。買い付け期間は11月15日から12月26日。フリークアウトは14日のUUUM株の終値365円より46%高い532円で買い取る。

UUUMは2024年9月期に黒字化を果たしたものの、売上は低迷している。フリークアウトの完全子会社となった後は、インフルエンサーマーケティングの色合いが濃くなりそうだ。これは共同ピーアールの傘下にあるVAZの戦略と近いものがある。

マーケティング会社がモノづくりを行うという逆転の発想が痛手に

UUUMの業績低迷が決定的となったのが、2022年5月期だ。2017年の上場以来初めての減収となった。業績推移(下のグラフ)を見ると2024年9月期は増収のようにも見えるが、この年に決算月を5月から9月に移行している。すなわち、2024年9月期は16か月の変則決算だ。この期の売上高は275億8,900万円。単純に16か月で割り、12か月当たりの売上高を算出すると206億9,200万円で減収となる。実質的な3期連続の減収だ。

決算短信より筆者作成(UUUMは2024年に決算月を9月に移行)

2025年9月期の売上高の予測は219億円。6%程度の増収を予想している計算になる。ただし、この計画を達成できるのかは不透明だ。2024年9月期の通期の売上高を上限で303億円、下限で296億円と予想していた。着地は下限をも下回っている。

UUUMを苦しめているのはショート動画の台頭である。2022年5月期2Q単体(2021年9月1日~2021年11月30日)のショート動画再生回数は151万回だった。それが2024年9月期4Q(2024年3月1日~5月31日)は850万回となっている。ショート動画は広告収入が少ないため、動画配信による収益基盤が崩壊する。

新たな収益柱を構築すべくUUUMはゲーム開発を進めていたが、ヒット作を生み出すことができなかった。そこで、人気YouTuberとコラボレーションした商品開発を進めるようになる。2023年にHIKAKINがプロデュースした「みそきん」はヒット商品になったことで知られている。

これ以外にもフィッシャーズが手がけた「Dotene」や、ESPOIR TRIBEのヘアケア商品「EXGEE」など、2022年から2023年にかけて様々なブランドを立ち上げた。

しかし、この新戦略は致命的なダメージを与えてしまう。UUUMは2023年5月期に10億円を超える純損失を計上したのだ。開発した商品の在庫の評価損6億8,900万円を計上した影響が大きかった。2023年にフリークアウトと資本業務提携を締結し、UUUMは同社の連結子会社となった。

インフルエンサーマーケティング事業拡大のための業務提携が加速


《不破聡》

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