【調査】アジア地域における日本コンテンツ、アニメがヒットの60~70%を占める

Media Partners Asiaによると、アジア地域のストリーミング視聴者は(海外作品ではなく)地域内のコンテンツにより目を向けるようになっていることが明らかに。

グローバル アジア
調査・コンサルティング会社Media Partners Asiaはアジアの9つの主要市場を調査した新たなレポートを発表した。Varietyが報じている。

本調査はMedia Partners Asiaの姉妹会社AMPDが2023年1月から2024年3月までの15ヵ月間、日本、韓国、シンガポール、台湾、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイで4万人のプレミアムVOD(※)ユーザーを追跡した結果に基づいている。

この結果によると、NetflixやAmazonプライム・ビデオなどのPVODの顧客エンゲージメントと顧客獲得の80%をアジアのタイトルが占めており、アジア地域のストリーミング視聴者は国内のコンテンツに目を向けるようになっているとのことだ。

また、アジアをリードしている韓国のコンテンツは、最大の投資先でもあり、2023年には大手ストリーミング配信事業者であるNetflix、Viu、Disney+、Amazonプライム・ビデオから推定13億ドル(約1,998億円)の投資を誘致している。ドラマのジャンルとしてはロマンスが依然として大人気である一方、「復讐代行人 ~模範タクシー」などの復讐劇、「アイランド」「悪霊狩猟団: カウンターズ」などの超自然的ファンタジー、そして「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」「マスクガール」などの強い女性が中心となったスリラーやコメディが2023年から24年にかけての上位作品に入った。バラエティとリアリティのカテゴリーでは、「ランニングマン」のような定番作品に根強い人気があるが、Netflixの「フィジカル100」のような新しいフォーマットにも拡大しているという。

さらに「日本のコンテンツの要」であるアニメは、アジアにおける日本コンテンツの顧客エンゲージメント、顧客獲得、ヒットの60~70%を占め、特に東南アジアでは90%以上を占めている。アニメ制作業界は、大規模で分散型のスタジオエコシステムに支えられており、2023~24年のアニメ上位100本には50以上のスタジオが貢献しているとも報告されている。

Media Partners Asiaのリードアナリストであるディヴヤ・T氏は「韓国、日本、中国、インドネシア、タイ発のコンテンツが、アジアにおけるPVODのエンゲージメント、獲得、ヒットの70~75%を牽引している」と述べている。また「インドネシアとタイでは、主要スタジオ(Screenplay、MD Entertainment、The One Enterprise、GDH 559)がヒットメーカーに成長しつつあり、タイのロマンスやコメディ、インドネシアのホラーが、地域的な旅行性や訴求力が最も高いジャンルとして浮上している」とのことだ。

※PVOD:定額の料金を支払い、劇場同時または劇場興行終了直後の作品も視聴できる動画配信サービス(参照:AppsFlyer「PVOD (Premium video on demand)」 https://www.appsflyer.com/glossary/pvod/

《伊藤万弥乃》

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伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

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