©2023 Studio Ghibli
スタジオジブリが、中国のエンターテインメント企業アリババ・ピクチャーズ(以下、アリババ)と提携し、中国市場において新たなアニメ体験や事業構想を共同で展開することを発表したとThe Hollywood Reporterが報じている。両社は、将来的なアニメ作品制作の可能性と2024年に中国・上海で行われるスタジオジブリの大規模な没入型展覧会について提携する戦略的合意に調印。この契約は、1月初旬に東京で行われた非公開の会合で、プロデューサーの鈴木敏夫氏とアリババの李傑社長によって締結されたとのことだ。
アリババは「熱狂的なファンや視聴者は、宮崎駿のアニメーションの魅惑的で没入感のある旅を楽しむことができ、それによって巨匠アニメーターがもたらした深い感動と勇気を追体験することができる」と声明を発表した。
さらに、中国業界の情報筋がThe Hollywood Reporterに語ったところによると、アリババは宮崎監督の最新作『君たちはどう生きるか』の中国劇場公開の配給パートナーとしても契約したとのことだ。一方アリババは、『君たちはどう生きるか』の事業計画に関する「取引意向書」を交わしただけだとし、新作映画の確定的な計画についてはコメントを避けた。
スタジオジブリ作品は中国でもよく知られ、広く愛されており、近年、宮崎監督の作品の中から厳選したタイトルが初めて中国のシネコンで上映されるようになった。『となりのトトロ』は2018年に再公開されると2,600万ドル(約38億円)を稼ぎ出し、続く『千と千尋の神隠し』は2019年に6,900万ドル(約102億円)を稼いだ。ファンに人気の『天空の城ラピュタ』は昨年中国の映画館で公開されたばかりだ。