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米電器通信大手企業のVerizonが、Netflixとワーナー・ブラザース・ディスカバリー傘下の配信サービスMaxと提携し、顧客に格安バンドルサービスを提供することが分かった。
The Hollywood Reporterによると、12月4日(月)にVerizonは特定プランのユーザー向けに、NetflixとMaxの両ストリーミングサービスを月額10ドル(約1,470円)で利用できるサービスを発表。両サービスともに広告付きプランとなるが、個別で加入するよりも40%も割安だという。現時点ではNetflixとMax、Verizonの間で、どのようにコストの分担がなされているかは不明だ。これまでにMaxは割引価格を提供したことがあったが、長年にわたってNetflixはサービス料の値下げとは縁がなかったため、この変化は注目に値するだろう。この動きは、1年前にNetflixが広告プランを低価格で提供し始めたことが影響している模様で、Netflixの幹部によると、広告なしのベーシックプランよりも広告プランの方が利幅が大きいのだという。
その他の理由としてColliderは、次々に新しいプラットフォームが登場して飽和状態となっているストリーミング業界で、サブスクリプション価格の高騰が著しいことも、大手配信サービスがバンドルに門戸を開いた理由ではないかと指摘。Netflixは、加入者を拡大するためにパスワードの共有取り締まりを開始して加入者数と収益を増やしたが、この規制はユーザーの間でかなり不評となっているため、新たな戦略に切り替えたとの見方もできる。その他にも、これまでバンドルに消極的で、現時点で広告プランを展開していないApple TV+も、この方向性に目を向けているとのこと。情報筋によると、Apple TV+はParamount+とバンドルについて話し合いを行なったという。Appleの自社サービス・バンドル「Apple One」には、Apple TV+、Apple Music、Apple Arcade、Apple News、クラウドストレージなどのサービスが含まれており利益を上げているが、Appleはストリーミングサービスを黒字に成長させようとしているため、競合とのバンドルにオープンなようだ。
一方のディズニーはNetflixやAppleよりも一歩先を進んでおり、Disney+とHulu、ESPN+で構成されるディズニー・バンドルの大幅な割引を一早く提供。またAmazonプライム・ビデオも、最近結んだMGM+との契約をはじめ、競合ストリーミングサービスとのバンドルに積極的だ。
これまで、頑なにライバル配信サービスとの提携を避けてきたNetflixがVerizonとのバンドルに踏み出し、この動きにAppleも便乗する姿勢を見せているため、ストリーミング業界のサービス提供の仕方にも大きな変革が起こりそうだ。