Netflix、SAG-AFTRAストライキ終結後に料金値上げを計画か

全米脚本家組合の暫定合意で決まった新規約が、Netflixの料金値上げに影響している模様

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Netflixが、現在進行中の映画俳優組合-アメリカ・テレビ・ラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)によるストライキの解決から、数カ月後に料金の値上げを計画しているという。

Varietyによると、現時点で具体的な料金の数字は出ていないが、米国とカナダで最初に月額料金が値上げされる可能性が高いという。現在、米国では最も人気が高いNetflixのスタンダードプラン(同時視聴できる機器2台、広告なし) が月額15.49ドル(約2,300円)で、プレミアムプラン(同時視聴できる機器4台)は月額19.99ドル(約3.000円)となっている。

Netflixは今年上半期に、米国をはじめとする市場で広告なしのベーシックプラン月額9.99ドル(約1,500円)を廃止し、ユーザーが広告付きプラン、もしくは高額プランに変更せざるを得ない状況となり、事実上の値上げを実施。また、DVDレンタルサービスで最後のディスクを発送し終え、郵送による映画レンタル事業を終了した。

なお、配信サービスで最大手となり、数多くのオリジナルコンテンツを制作しているNetflixは、9月末に映画製作者協会(AMPTP)と暫定合意に達した全米脚本家組合(WGA)、および映画俳優組合 - 米国テレビおよびラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)の大きなターゲットになっているとのこと。

Deadlineによると、WGAとAMPTPの暫定合意により、「スタジオは6話以下の番組で、少なくとも脚本家3人とプロデューサー3人を雇用しなければならない。7話から12話の番組については、最低でも脚本家5人と脚本家兼プロデューサー3人、13話以上の番組については、最低でも脚本家6人と脚本家兼プロデューサー3人を雇う必要がある」といった、脚本家の労働負荷を避けるための新規約が設けられた。

おそらく、SAG-AFTRAも類似した条件をAMPTPに求めるものと予想されており、その結果としてスタジオやNetflixなどの配信サービスは、今まで以上に経費予算を確保しなければならなくなる。その増加分を配信サービスは月額料金に反映し、ユーザーから徴収して埋め合わせをしようとしているようだ。

Indie Wireは、7月にNetflixの最高財務責任者(CFO)スペンス・ニューマン氏が投資家に対し、「米国などの主要市場で同社が値上げを行うのは、1年以上先のこと」だと発言していたと報道。第2四半期の決算報告会で同氏は、5月にパスワード共有取り締まりを開始した後、Netflixは料金の値上げを「ほぼ休止」していると述べていたが、長引くストライキにより事情が変化したものと思われる。

月額料金の値上げについては、米Disney+が10月12日、Discovery+が11月2日より新料金を適用し、PeacockとParamount+、Starzも2023年内に値上げを予定している。

《Hollywood》

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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。

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