ワーナーとの提携を解消したレジェンダリー、新たにソニーとの契約を正式決定

映画制作会社レジェンダリー・エンターテインメントは、ワーナー・ブラザースとの提携を解消し、ソニー・ピクチャーズと複数年にわたる全世界での映画配給パートナーシップを締結した。

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ワーナーとの提携を解消したレジェンダリー、新たにソニーとの契約を正式決定
Legendary Entertainment HPより ワーナーとの提携を解消したレジェンダリー、新たにソニーとの契約を正式決定

『DUNE/デューン 砂の惑星』や、『ゴジラvsコング』を手掛ける映画制作会社、レジェンダリー・エンターテインメントは、ワーナー・ブラザースとの提携を解消し、ソニー・ピクチャーズと複数年にわたる全世界での映画配給パートナーシップを締結した。

この新しい契約により、ソニーはレジェンダリーの今後の劇場用映画作品のマーケティングと配給を行う。ただし、レジェンダリーの既存プロジェクトの一部はこの契約から除外され、現在制作中の『DUNE/デューン 砂の惑星』の続編はワーナーが引き続き支援することになる。本作は全米で2023年11月3日に公開予定。

この経緯として、2020年後半にレジェンダリーがワーナーと公に争ったことも関係していると考えられる。当時、レジェンダリーが関与する2021年の全作品を、劇場デビューと同じ日にHBO Maxに送るというワーナーの決定に対して、制作会社は法的措置を取ると脅したのだ。しかし、両社は不満を解消し、双方が満足する合意を見出した。『ゴジラvsコング』は全世界で4億7000万ドル、『DUNE/デューン 砂の惑星』は4億100万ドルの興行収入を上げ、ストリーミングでも同時公開をしながらも、それぞれパンデミック時代の興行収入を記録した。

ソニー・ピクチャーズ モーション ピクチャーグループの社長であるジョシュ・グリーンスタイン氏とサンフォード・パニッチ氏は、「このビジネスに対する我々の劇場での取り組みとビジョンが完全に一致している真のプロと、このように相互に有益な方法で提携できることは稀な機会です」「レジェンダリーの創造的な輝きとパワーは巨大であり、我々は彼らの作品を世界中の劇場に届けることを楽しみにしています」とコメントした。

さらに、この契約の一環として、レジェンダリー・イーストは中国におけるすべてのマーケティングと配給活動を担当。また、ソニーは、公開する作品のホームエンターテインメントとテレビ配給を担当する。レジェンダリーは、現在および将来の幅広いストリーミング・プラットフォーム向けに、長編映画のコンテンツを制作・配給するオプションも保持している。

過去にレジェンダリーは、Netflix、ユニバーサル、ソニーと様々なプロジェクトで協働してきた。2018年に再結成する前に、レジェンダリーは2014年にもワーナー・ブラザースと分裂し、制作会社はユニバーサルと5年契約を結んで注目を浴びた。

「コンテンツ提供を拡大し続ける中で、トニー、トム、サンフォード、ジョシュ、そして他の優れたソニーチームとこの関係を築けることに興奮しています」と、レジェンダリーのCEOジョシュア・グロード氏はコメント。「ソニーの劇場配給へのコミットメントは、レジェンダリーの映画の価値を最大限に引き出す方法についての我々のビジョンと一致しています。メアリー・ペアレント(映画プロデューサー)が蓄積してきた素晴らしい作品群は、劇場公開のために作られたものであり、レジェンダリーの成長の次の段階として、ソニーとのパートナーシップに興奮しています」ともコメントした。

レジェンダリーの直近の映画作品には、『名探偵ピカチュウ』、ミリー・ボビー・ブラウン主演のNetflix映画『エノーラ・ホームズの事件簿』『エノーラ・ホームズの事件簿2』などがある。

Sources:Screen DailyVariety
《伊藤万弥乃》

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伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。