Netflix、2026年の注目ラインナップを一挙発表。『ジョジョ SBR』『二十世紀電氣目録』から細木数子の伝記ドラマまで多彩な作品群。斎藤工や戸田恵梨香も登壇

Netflixが2026年の新作ラインナップを発表。『ジョジョ』SBRや戸田恵梨香主演作、WBC独占配信など注目作が目白押しだ。東宝スタジオとの提携で制作能力を倍増させる戦略も明かし、日本発作品を世界へ届ける本気度を鮮烈に示した。

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Netflix、2026年の注目ラインナップを一挙発表。『ジョジョ SBR』『二十世紀電氣目録』から細木数子の伝記ドラマまで多彩な作品群。斎藤工や戸田恵梨香も登壇
Netflix、2026年の注目ラインナップを一挙発表。『ジョジョ SBR』『二十世紀電氣目録』から細木数子の伝記ドラマまで多彩な作品群。斎藤工や戸田恵梨香も登壇
  • Netflix、2026年の注目ラインナップを一挙発表。『ジョジョ SBR』『二十世紀電氣目録』から細木数子の伝記ドラマまで多彩な作品群。斎藤工や戸田恵梨香も登壇
  • Netflixコンテンツ部門バイス・プレジデント坂本和隆氏
  • 斎藤工
  • Netflix、2026年の注目ラインナップを一挙発表。『ジョジョ SBR』『二十世紀電氣目録』から細木数子の伝記ドラマまで多彩な作品群。斎藤工や戸田恵梨香も登壇
  • 松本優作監督
  • 左から、松本優作監督、斎藤工、佐藤善宏プロデューサー
  • 瀧本智行監督
  • 戸田恵梨香

Netflixは1月27日、2026年に配信予定の日本の新作タイトルを紹介するラインナップ発表会「Next on Netflix 2026」を東京ミッドタウン・ホールAで開催した。イベントにはコンテンツ部門の各責任者が登壇し、アニメ、アンスクリプテッド(リアリティショー等)、実写(映画・シリーズ)の各ジャンルにおける新作と戦略を発表。さらに、今後の制作体制に関する重要なパートナーシップも明かされた。さらに、イベント後半では、『This is I』の松本優作監督と斎藤工と、『地獄に堕ちるわよ』から瀧本智行監督と戸田恵梨香が登壇し、作品の魅力を語った。


2028年より東宝スタジオ新ステージを利用開始、制作能力は2倍へ

本イベントの冒頭、Netflixコンテンツ部門バイス・プレジデントの坂本和隆氏は、作品の「多彩さ」と「大胆さ」を掲げると同時に、制作インフラの大幅な強化について発表した。

Netflixは東宝と新たな契約を締結し、現在建設中の「東宝スタジオ」新ステージを2028年より複数年にわたり使用することを明らかにした。この契約により、国内最大級となる約300坪の大型ステージを複数同時に活用することが可能となる。「これにより、従来の2倍以上となる年間最大15本の制作が見込める」と坂本氏は説明。これまでのスタジオ規模では実現が難しかった壮大なスケールの映像表現が可能になり、日本発の作品をより強力に世界へ届けていく体制が整うことになる。

アニメ:『ジョジョ』SBRや京アニ新作など、世界を見据えたラインナップ

アニメ部門のプレゼンテーションでは、コンテンツ部門アニメ担当の山野裕史氏が登壇。「世界のNetflixメンバーの2人に1人がアニメを楽しんでいる」と語り、国境を超えて愛されるアニメの力を強調した。

2026年の注目作として、荒木飛呂彦による大人気コミックの第7部をアニメ化するシリーズ『スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険』(3月19日より独占先行配信)が紹介された。本作ではアニメ表現が難しいとされる「馬」の動きを徹底的に研究し、蹄の音まで収録するこだわりを見せているという。

また、京都アニメーションによる待望の新作『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカー』(7月)の独占配信情報も解禁された。20世紀初頭の京都を舞台に、電気がなく蒸気機関が発達した世界を描く本作は、美術背景の存在感を高めた新しい映像表現に挑戦している。

このほか、完結を迎える『BEASTARS FINAL SEASON』Part2や『炎炎ノ消防隊 参ノ章』第2クール、シリーズ最新作『刃牙道』、LINEマンガ発の話題作『氷の城壁』、神尾葉子原作の『プリズム輪舞曲』、ボカロPの楽曲と融合した映画『超かぐや姫!』など、計8作品が紹介された。

アンスクリプテッド:『あいの里』『ラヴ上等』続編に加え、マツコ・デラックスとの新企画も

「筋書きのない物語」を扱うアンスクリプテッド部門では、同部門担当の太田大氏が登壇。生の感情が強烈な共感と熱狂を生む同ジャンルの強みを語った。

ラインナップとしては、人気シリーズの続編が目白押しだ。現在シーズン2が配信中の『ボーイフレンド』に加え、35歳以上の男女が古民家で共同生活を送る『あいの里』はシーズン3へ突入。今回は富士山麓の牧場跡地にあるヴィンテージハウスへと舞台を移す。

また、ヤンキーたちの恋愛を描き話題を呼んだ『ラヴ上等』は、異例のスピードでシーズン2の制作・配信が決定。全国でオーディションを実施し、さらにスケールアップした人間ドラマが展開される。

さらに完全新作として、マツコ・デラックスがNetflixに初参戦する『ブラックオークション~禁断の入札~』が発表された。地下空間の秘密の社交場を舞台にしたオークション番組とのことで、唯一無二の企画に期待が高まる。

実写:細木数子の半生を描く衝撃作や、日韓タッグのSF『ガス人間』など

実写(映画・シリーズ)部門では、担当の高橋信一氏が登壇。「欲望」「恋」「現実を超えた物語」「人間ドラマ」の4つのテーマに分け、計13作品を紹介した。

「欲望の物語」として注目を集めたのは、戸田恵梨香主演のNetflixシリーズ『地獄に堕ちるわよ』(4月27日配信)だ。日本一有名な占い師・細木数子の波乱に満ちた半生を描く本作では、戸田が特殊メイクも交えて50年にわたる細木の人生を演じきる。

「現実を超えた物語」では、実写版『ONE PIECE』シーズン2(3月10日配信)に加え、東宝特撮映画をリブートする『ガス人間』が紹介された。小栗旬と蒼井優に加え、新たに広瀬すず、林遣都、竹野内豊の出演が解禁。脚本・製作総指揮のヨン・サンホ(『新感染』)と片山慎三監督による日韓タッグで、かつてないSF表現に挑む。

その他、柴咲コウと赤楚衛二がW主演を務める映画『余命一年、男をかう』、中島健人がセックスセラピストを演じる『SとX』、世界的な舞台俳優が忘れ去られる悲劇を描く役所広司主演の『俺のこと、なんか言ってた?』など、野心的な企画が並んだ。

また、ライブイベントとして、3月に開催される「2026 ワールドベースボールクラシック」の日本国内独占生配信を行うことも改めてアナウンスされ、エンターテインメントの領域を広げ続けるNetflixの姿勢が示された。


80~90年代の熱狂と“エアミュージカル”の挑戦――Netflix映画『This is I』

本イベントでは、本日紹介された新作タイトルの中から、2月10日より配信開始の『This is I』、および『地獄に堕ちるわよ』のキャスト・監督が登壇し、作品に込めたこだわりや、Netflixという環境だからこそ実現できた制作背景について語った。

『This is I』からは、和田耕治医師役を演じた斎藤工、松本優作監督、モデレーターとしてNetflix コンテンツ部門の佐藤善宏プロデューサーが登壇した。

左から、松本優作監督、斎藤工、佐藤善宏プロデューサー

本作は、600人を超える性別適合手術を行った和田耕治医師の家族による著書『ペニスカッター』と、はるな愛の自叙伝『素晴らしき、この人生』を参考に企画された物語だ。「アイドルになりたい」と夢見る少年ケンジ(後のアイ)と、和田医師の出会いを軸に、80~90年代のダイナミズムとヒットソングを組み合わせた「エアミュージカル」として描かれる。

松本監督はオファーを受けた際、Netflix作品の監督が夢の一つであったとしつつ、はるな愛と和田医師という実在の人物の物語を描くことに責任を感じたと語る。「自分らしく生きる、嘘をつかずに生きることが今よりも難しかった時代に戦ってきた二人の姿を、今の時代に映画として出すべきだと確信した」と制作への意欲を振り返った。

また、本作の主演に抜擢されたのは、オーディション時17歳だった新人・望月春希だ。松本監督は「誰よりもパワフルで、絶対に自分がやるんだという気持ちが強かった」と起用の決め手を語り、斎藤も「作品を包み込み、宿る光になるような輝きがあった。望月さんと対峙してお芝居をすることが、自分の人生のターニングポイントになったと感じる」と、その才能を絶賛した。

Netflixでの制作環境について、斎藤は「見えないところまでしっかり描くという体制に感動した」という。エキストラの数や美術セットなど、画面の隅々まで当時の熱狂を再現するスケール感に加え、撮影前の準備期間(プリプロダクション)の豊かさにも言及。和田医師の遺族への取材や墓参り、監督との綿密なディスカッションなど、嘘のない芝居をするための準備に十分な時間を費やせたことに対し、「人を大事にしてくれる」と信頼を寄せた。

松本監督も同様に、撮影前に十分なリサーチや対話の時間が確保されたことを挙げ、「今の日本映画界ではなかなかできないこと。しっかりいいものを作るために時間と予算をかけさせてもらったことはすごい経験だった」と、クリエイターにとって理想的な環境であったことを強調した。

昭和・平成を駆け抜けた“稀代の魔女”を描く『地獄に堕ちるわよ』

続いてのセッションでは、Netflixシリーズ『地獄に堕ちるわよ』から、細木数子役の戸田恵梨香、瀧本智行監督、モデレーターの岡野真紀子プロデューサーが登壇した。

左から、岡野真紀子プロデューサー、戸田恵梨香、瀧本智行監督

本作は、日本一有名な占い師・細木数子の知られざる半生を描く作品だ。当初、瀧本監督は「細木さんが苦手だった」という理由でオファーを2度断ったそうだが、プロデューサーから「そういう人が作った方がいいものになる」と言われたことや、昭和という時代を描くことへの興味、そして戸田恵梨香が演じるという安心感から引き受けたと明かした。

戸田自身も、年齢も性格も自分とかけ離れた人物を演じることに不安を抱いていたが、「真似をする必要はない」という言葉に背中を押され、脚本の面白さに魅了されて出演を決意したという。

トークでは、制作におけるクリエイティブの衝突と熱量の高さが垣間見えるエピソードも披露された。最終回の準備稿に納得がいかなかった戸田が、衣装合わせの際に極道の妻のような着物姿で、「このシナリオでいいんですか? 何を訴えたいんですか?」と監督とプロデューサーに詰め寄ったという。これを受け、瀧本監督は脚本の改定を決断。「その瞬間に、この人なら細木数子を演じられると確信した」と振り返った。

本作の見どころの一つが、当時の銀座の街並みを再現した巨大なオープンセットとVFX技術の融合だ。戸田は「こんなセット見たことない。『Netflixすごい!』と大興奮した」と語り、街が丸ごと作られたセットのおかげで、何の違和感もなく役の世界に入り込め芝居に集中できたという。

また、10代から60代までの50年間を演じ、約半年間に及ぶ長期撮影を経験したことについて、戸田は「もう一つの自分の人生が本当にここにあったという体感がした」と述懐。十分な期間をかけて一人の人生を生き抜くという、Netflixシリーズならではの濃密な制作スタイルが、役への深い没入をもたらしたようだ。

最後に瀧本監督は「色眼鏡で見られる方もいると思うが、とにかく一人でも多くの人に見てもらいたい」と自信を覗かせ、戸田も「見進めていくと本当の細木数子が出てくる。彼女が何を抱えていたのか、テレビとは違う側面が見えてくるはず」とメッセージを送った。

Netflixならではの潤沢な予算と制作期間が、クリエイターの「こだわり」を細部まで具現化させ、キャストが役柄に深く没入できる環境を提供していることが浮き彫りとなるイベントとなった。

©大久保篤・講談社/特殊消防隊動画広報第参課
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SBR製作委員会
©阿賀沢紅茶/集英社・TVアニメ「氷の城壁」製作委員会
©結城弘・京都アニメーション/明滋電氣商工会
©尾田栄一郎/集英社

《杉本穂高》

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杉本穂高

Branc編集長 杉本穂高

Branc編集長(二代目)。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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