新千歳空港国際アニメーション映画祭にて、短編アニメーション制作支援プロジェクト「New Way, New World: Connecting Japanese Animators to the World」(以下、NeW NeW)の報告会およびお披露目会が開催された。本事業は「クリエイター支援基金(Japan Creator Support Fund)」の一環で、文化庁・日本文化芸術振興会・CG-ARTSの三者による主催事業として実施している。
本プロジェクトは人材育成に焦点を当てており、制作費の支援ではなく、企画開発(ディベロップメント)段階のメンタリングや、アヌシー国際アニメーション映画祭をはじめとする海外映画祭でのピッチ(企画売り込み)、ネットワーキングの機会を提供するなど伴走型の支援が特徴だ。
登壇したのは、プロデューサーを務めるニューディアーの土居伸彰氏と、支援を受けた第1期作家3名、そして新たに選出された第2期作家3組だ。日本のアニメーション作家が世界市場で勝負するための「企画力」と「プレゼン力」の強化について、具体的な成果と今後の展望が語られた。
企画開発から徹底支援、第1期作家の成果
イベントの前半では、約10ヶ月間のトレーニングを経てきた第1期作家の金子勲矩氏、ひらのりょう氏、関口和希氏が登壇。それぞれのプロジェクトの進捗と、海外ツアーでの経験を報告した。
金子勲矩氏は新作『Crabs and Rabbits』を紹介。これまでの「頭部が物」というキャラクター主導の制作スタイルから、カニとウサギを組み合わせた世界観構築へのアプローチ変更に挑戦した。
脚本をゼロから書き起こし、物語の構成を見直す過程で「文字にすることで、レントゲンで骨を見るように作品の骨組みが見えた」と語る。また、映像面では撮影監督・コンポジターの泉津井陽一氏の指導を仰ぎ、プロの技術を取り入れることで画面のクオリティアップを図っている。
ひらのりょう氏は、長野の山奥での実体験に着想を得た『NIGHT IN HTE EYEWALL』をプレゼン。角の折れたシカと少年の物語だ。
当初はビジュアル先行でスタートしたが、劇団ロロの三浦直之氏らから脚本のアドバイスを受けつつ、5~6稿の改稿を重ねた。「第1稿を人に見せるのは怖いが、意見をもらう楽しさを知った」と語り、独りよがりではない制作体制の構築に手応えを感じている様子だった。
関口和希氏は、育児と制作の両立をテーマにした『アニメーション作家のねこちゃん』を制作中。
アドバイザーからの「15分は長すぎる」という助言を受け、脚本を10稿まで改稿。アヌシーやカナダへのツアーを通じて、英語でのピッチやネットワーキングに挑戦した。「自分が何者かを理解してもらった状態だとコミュニケーションが円滑になる」「ピッチでは笑いをとることが重要」など、現地で貴重な肌感覚を持ち帰ったようだ。

