第38回東京国際映画祭(TIFF2025)の共催・提携企画として、日本の映画業界が直面する課題解決と持続可能な未来の構築を目指す新たな官民連携フォーラム「シネマ・コネクティング・ジャパン」が、11月2日に初開催されることが決定した。本フォーラムには、是枝裕和監督をはじめとする業界の第一人者や主要企業の代表、そして政策担当者が一堂に会し、業界の未来に向けた議論を交わす。
コロナ禍で顕在化した課題を共有、業界横断の「顔の見える議論」目指す
コロナ禍以降、日本の映画業界では制作環境の改善、人材育成、国際競争力の強化など、様々な問題や課題が浮き彫りとなった。これらの課題に対し、これまでも個別の団体や企業が解決に向けて動いてきたが、業界全体としての連携は十分とは言えなかった。
本フォーラムは、こうした状況を打破し、より良い未来を共創することを目的としている。ユニジャパン、映像産業振興機構(VIPO)、ジャパン・フィルムコミッション(JFC)といった業界団体から、日本映画制作適正化機構(映適)、日本映画監督協会、さらには働き手の権利を守るNPO法人まで、制作、配給、興行、人材育成、アーカイブなど、多岐にわたる分野の民間団体が主催・共催に名を連ねている。
この広範な連携により、それぞれの立場から活動内容や課題を共有。東京国際映画祭という国際的なプラットフォームを活用し、交流を通じて新たな連携を生み出し、今後の継続的な「顔の見える議論」に繋げる―コネクトする―ことを目指すものだ。
是枝裕和監督、東宝・松岡社長らが登壇、政策担当者との直接対話に期待
フォーラムには、映画監督の是枝裕和氏、東宝株式会社代表取締役社長の松岡宏泰氏、株式会社プロダクション・アイジー代表取締役社長であり株式会社ウィットスタジオ代表取締役社長も務める和田丈嗣氏、そして学術的な視点から青山学院大学総合文化政策学部教授の内山隆氏といった、業界を代表するキーパーソンが登壇する。
さらに、内閣府(調整中)、文化庁、経済産業省といった関係省庁の担当者も登壇を予定しており、民間と行政が直接対話する貴重な機会となる。現場のクリエイターや企業の経営者が抱える課題や提言を政策担当者に直接届け、実効性のある施策へと繋げていくことが期待される。
フォーラムは11月2日にミッドタウン日比谷 BASE Qにて招待制で開催されるが、後日、議論の内容を広く業界内外に共有するため、録画配信も予定されている。
【開催概要】
イベント名: シネマ・コネクティング・ジャパン ~官民連携フォーラム~
開催日: 2025年11月2日(日)
会場: ミッドタウン日比谷 BASE Q
参加形式: 招待制(後日録画配信あり)
主催: シネマ・コネクティング・ジャパン事務局
共催: 公益財団法人ユニジャパン、特定非営利活動法人映像産業振興機構、特定非営利活動法人ジャパン・フィルムコミッション、一般社団法人日本映画制作適正化機構、一般社団法人日本映像職能連合、日本映画監督協会、一般社団法人日本アニメフィルム文化連盟、助監督.com、一般社団法人日本芸能従事者協会、NPO法人映画業界で働く女性を守る会、NPO法人独立映画鍋、一般社団法人日本映像アーキビスト協会ほか
協力: 内閣府(調整中)