株式会社ビデオリサーチは2025年9月30日、日本のタレントや音楽アーティストの国際的な影響力を測定する「タレント海外プレゼンス調査」の提供を開始したと発表した。この調査は、動画配信サービスの世界的普及を背景に高まる、コンテンツのグローバル戦略におけるタレントキャスティングのデータ需要に応えるものだ。
調査はアジア・アメリカの主要12の国と地域を対象とし、日本のタレントおよび音楽アーティスト約400組の知名度や人気度を毎年測定する。加えて、日本の映像コンテンツの視聴状況やメディア接触に関する情報も収集し、多角的な分析を可能にしている。この調査データは、国内の「タレントイメージ調査」と組み合わせることで、国内外でのタレントの立ち位置を相対的に比較・評価するための重要な指標となることが期待される。
タレント知名度は金城武がアジア6地域で首位、アニメ人気で声優も躍進
2025年の調査結果によると、タレントの知名度部門では俳優の金城武が圧倒的な存在感を示した。中国、香港、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシアの6つの国と地域で1位を獲得しており、1990年代から日本だけでなく中華圏の映像作品で活躍してきた実績が、アジア全域での高い認知度に繋がっている。
同様にアジア圏で高い知名度を誇るのが木村拓哉で、台湾と韓国で1位を記録。これは過去の主演ドラマが現地で放送されていた影響が大きいとみられる。また、特筆すべきは声優の花澤香菜の躍進だ。 ベトナムとフィリピンで1位を獲得したほか、多くの国で上位にランクインしており、日本のアニメコンテンツがジャンルを問わず広く海外で受け入れられていることを裏付ける結果となった。さらに、ドラマ『SHOGUN 将軍』で世界的な評価を得た真田広之は、インドとアメリカで1位となり、国際派俳優としての地位を改めて証明した。

音楽部門は映像コンテンツが人気を牽引、LiSA、宇多田ヒカルが複数地域でNo.1
音楽アーティストの人気度部門では、アニメやドラマ主題歌とのタイアップが人気を大きく左右する傾向が明らかになった。アニメ主題歌で世界的に知られるLiSAは、ベトナム、フィリピン、インド、アメリカの4カ国で1位を獲得。同様に、宇多田ヒカルも台湾、香港、マレーシアで1位に輝いており、映像作品を通じて彼女たちの楽曲が広く浸透していることがうかがえる。
一方、タイとインドネシアではAKB48が1位となり、東南アジアにおける日本のアイドルグループの根強い人気が示された。また、精力的な海外公演を行うYOASOBIは韓国で1位を獲得したほか、多くの国で上位に入るなど、グローバルな活動が着実に実を結んでいると見られる。
