代々木アニメーション学院は2025年9月18日、アニメ制作会社のFelixFilmとの業務提携契約を締結したことを発表した。本提携は、アニメ制作現場で需要が増している3DCGアニメーターの育成を強化し、即戦力となる人材を輩出することを目的とする。FelixFilmは『MFゴースト』や『阿波連さんははかれない』などの制作で知られ、特に2Dと3Dを融合させたハイブリッドなアニメーション表現を得意とする会社だ。
高まる3DCG需要、業界が求める人材育成の新たな一手
日本のアニメ業界では、伝統的な2D作画に加え、3DCG技術を扱えるクリエイターの需要も高まっている。表現の幅を広げる3DCGは、多くのアニメ作品で不可欠な要素となった。こうした背景を受け、代々木アニメーション学院は2023年4月に「アニメ3DCG科」を開講し、専門人材の育成に乗り出している。
一方、FelixFilmは設立当初から3DCGの可能性に着目し、2D作画と調和させながら質感表現やカメラワークを進化させてきた。制作本数の増加に伴い、若手の3DCG技術者の育成と確保が喫緊の課題と認識していた。
制作現場のノウハウを教育に直結、即戦力を育成
今回の業務提携により、FelixFilmが持つ最先端の3DCG制作ノウハウが代々木アニメーション学院の教育カリキュラムに直接的に反映されることになる。具体的な取り組みとして、FelixFilmによるカリキュラムの監修、同社スタッフによる特別講義の実施、現役の3DCG技術者の講師派遣、さらには実際の制作現場で使用された素材の教材活用などが予定されている。
これにより学生は、業界の最新技術や制作フローを在学中から実践的に学ぶことが可能となる。学校で学ぶ知識と現場で求められるスキルとのギャップを埋め、卒業後すぐに活躍できる即戦力人材の育成を目指す。FelixFilmは「現場と密接に連携した教育を通じて、高い技術力を備えた人材が育成されることを強く期待している」とコメントしている。
教育と現場の連携強化で、日本アニメ業界の未来を創る
1978年の創立以来、47年間にわたり12万人以上の卒業生をアニメ・エンタメ業界に輩出してきた代々木アニメーション学院。監督や作画監督など、業界の様々な役職で卒業生が活躍している。同学院は「アニメーションの最先端の技術を持ちハイクオリティな作品を生み出されているFelixFilmとの連携を通じて、より高度な技術を備えた3DCGアニメーターを育成できる」とコメントしている。