2025年5月7日、中国・上海に本社を構える閲文グループと、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)、そして空間機構株式会社の三社が、キャラクターや物語といった「IP(知的財産)」を活用した新たなビジネス展開に向けた基本合意書を締結した。
中国IPを日本市場へ――日中連携でコンテンツの国境を越える
閲文グループは、テンセント傘下で数億人規模の読者を抱える中国最大級のオンライン小説・漫画プラットフォームを運営しており、IP開発からメディアミックス展開に強みを持つ。同社は、オンラインプラットフォーム「QQ阅读」や「起点读书」「WebNovel」などを通じて、数多くの人気作品を生み出している。グループのコンテンツ制作会社と連携して多岐にわたるメディア展開も行っている企業だ。
一方、CCCは日本全国でエンタテインメントを軸としたライフスタイル提案を行っており、空間機構は日中間のコンテンツビジネスで豊富なプロデュース実績を誇る。三社はそれぞれの知見とネットワークを結集し、日中の新たなIPビジネスの機会を創出していく方針だ。
ポップアップストアと「ノベルフォーミュラ日本GP」で国内展開開始
具体的な取り組みの第一弾として、大阪・戎橋の「TSUTAYA EBISUBASHI」にて、閲文グループの人気作品を題材にしたポップアップストアを今夏より開催予定。加えて、日本の作家やクリエイターを対象とした小説投稿コンテスト「ノベルフォーミュラ日本GP」も実施する。受賞作品については、縦型動画、漫画、アニメ、さらにはドラマやゲームへのメディアミックス展開を検討している。
こうした展開により、三社は日本のクリエイターに対してグローバル展開への登竜門を提供し、同時に国内IP市場の活性化を図る。「日本発のクリエイティブコンテンツを世界に届ける足掛かりを築く」としており、IPビジネスの新たな可能性を切り開いていくとしている。