Netflix、自社広告技術をヨーロッパで展開

Netflixは2月下旬からヨーロッパでGoogleやTTDと提携した広告展開を開始。ドイツ、スペイン、フランス、イタリア、英国で広告枠を購入可能にし、視聴者ターゲティング機能も強化。

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Netflix、自社広告技術をヨーロッパで展開
Netflix Stock photos by Vecteezy Netflix、自社広告技術をヨーロッパで展開

Netflixは、GoogleやThe Trade Deskなどのデマンドサイドプラットフォーム(DSP)との提携を含む、より高度なプログラマティック広告のベータ版の欧州展開を2月下旬から開始した。

Digidayによると、これはNetflixが前回の広告主向けの事前プレゼンテーションで初めて発表し、その後北南米地域で展開したグローバルな広告導入の第2段階にあたるという。Netflixの経営陣は、最近の決算発表で2024年の広告収益が前年比で2倍になったと発表した。この成長には、2024年第3四半期に開始された米国での広告技術戦略の拡張が大きく寄与したと考えられるとのことだ。


The Currentによると、ドイツ、スペイン、フランス、イタリア、英国のブランドや広告代理店がNetflix上で広告枠を購入できるようになる。広告主は地域(郵便番号やZIPコード単位でターゲティング可能)、時間帯、デバイスの種類、番組ジャンルでより詳細に視聴者をターゲティングでき、マクドナルド、サムスン、ザランド、ウーバーなどのブランドがすでにこのサービスをテストしているという。

また、前Digidayの記事によると、一部の広告枠やターゲティング機能は直接販売で行われるとのこと。DSP経由の年齢ベースのターゲティングは現在提供されておらず、特定の番組内で広告枠を確保するプログラムレベルのターゲティングは直接販売に限定されている。これはNetflixが直接販売のプレミアム価格を維持するための方針であり、広告の過剰な表示や無関係な広告の流入によってユーザーが離脱するのを防ぐ狙いがあるという。

一方で、Netflix広告のCPM(千回表示あたりのコスト)は依然として他社に比べて高額であり、広告プランの視聴者規模も劣っていると指摘されている。2024年第4四半期のデータによると、NetflixのCPMはイギリスで44.50ポンド(約8,625円)、フランスで37ユーロ(約5,877円)、ドイツで58ユーロ(約9,211円)であり、プライベートマーケットプレイス(PMP)の価格は直接販売よりも20%安くなる見込みである。

なおこの機能は2025年中にオーストラリア、日本、韓国でも導入される予定となっている。Netflix
《伊藤万弥乃》

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伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

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