ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(以下、ワーナー)は、英音楽出版会社Cutting Edge Group(以下、CEG)と合弁事業を設立し、スタジオの大ヒット映画やテレビ番組の音楽カタログを共同所有することになった。2006年に設立されたCEGは、メディア音楽著作権の取得と管理に注力している企業だ。
The Hollywood Reporterによると、合併事業の一環としてワーナーは音楽著作権の創作および運営管理を行い、CEGは合併事業の共同運営を行う。両社は取引に関わる財務状況を明らかにしていないが、合同事業の設立を「過去最大級の音楽取引のひとつ」と称している。この合同事業はポートフォリオの流通と収益の最大化を目指し、資産運用会社DWSグループはCEGとともに、この取引に共同投資をしてスポンサーとなっている。
その音楽カタログには、『ハリー・ポッター』や『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ、DCコミックスの映画、『ブレードランナー』、『ショーシャンクの空に』、「フレンズ」、「ゲーム・オブ・スローンズ」、「フルハウス」、「セックス・アンド・ザ・シティ」などの人気作品が名を連ねる。
ワーナー・ブラザース、HBO、Turner Networksの音楽カタログは、引き続きユニバーサル・ミュージック・パブリッシング・グループによって管理される。ディスカバリーおよび米メディア企業Scripps Networksのカタログは、引き続きソニー・ミュージック・パブリッシングの管理下に置かれる。
Music Business Worldwideによると、ワーナーの音楽部門で社長を務めるポール・ブローチェック氏は合同事業について、「CEGとの提携は、当社の長年にわたる強力なクリエイティブ管理の歴史を尊重し、作品とアーティストの完全性を保護しながら、比類なき音楽ライブラリへのアクセスを拡大するために最適な方法です。CEGと協力することで新世代のファンを楽しませる、新しいエキサイティングな方法を見つけることが可能になります」と語った。CEGでCEO(最高経営責任者)を務めるフィリップ・モロス氏は、「このワーナー・ブラザースとの特別なパートナーシップは、CEGの長年にわたる取り組みの結晶であり、我々の先見の明と、この分野における専門的な知見が高く評価された証でもあります」と述べている。
ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが持つ世界的なネットワークとCEGの専門知識を組み合わせることで、ライセンス収入やストリーミング配信など、さまざまな形で収益を生み出す機会が増えそうだ。