サンダンス映画祭が開催中、基調講演ではプロデューサーが団結する重要性を訴え

現在開催中のインディペンデント映画の祭典「サンダンス映画祭」に関するニュースをまとめた。

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サンダンス映画祭が開催中、基調講演ではプロデューサーが団結する重要性を訴え
サンダンス映画祭が開催中、基調講演ではプロデューサーが団結する重要性を訴え

現在、「インディペンデント映画の聖地」との異名を誇る米ユタ州パークシティでは、インディペンデント映画の祭典「サンダンス映画祭」が開催中だ。今年の同映画祭に関するニュースをまとめた。

映画祭でパレスチナの支持団体が抗議

パレスチナを支持する抗議団体が、サンダンス映画祭を背景に「メディアの大量虐殺への共謀」への不満を表明するためにデモを行っていると、Varietyが報じている。

映画祭では、ヨルダン川西岸の抗議活動でイスラエル兵と対峙する、パレスチナ人のティーンエイジャーを描いた多世代ドラマ映画『All That's Left of You(原題)』がワールドプレミアで上映された。

デモの中心人物の一人であるダリア・サロウム氏は、「メディアは、正確さ、独立性、公平性、人間性、説明責任といった価値を保持すべきなのに、なぜ真実を伝えることを忘れるのでしょうか?」と問いかけている。

映画祭では、パレスチナ側の抗議団体だけでなく、イスラエルを支持するグループもデモを行い、パークシティ警察と睨み合いになったという。イスラエルとパレスチナの戦争は停戦合意に至ったものの、芸術を称える映画祭にも影響を及ぼしている。

基調講演者、プロデューサーが団結する重要性を訴え

IndieWireによると、サンダンス映画祭の基調講演では、ニコール・キッドマン主演映画『ベイビーガール』でプロデューサーを務めたダビド・イノホサ氏が登壇した。「変化する業界に適応するだけでなく、その未来を形作ることでプロデュースという芸術が、これからも重要で影響力を持ち続けることになるでしょう」と発言。プロデューサー同士が協力し合って団結し、直面している問題に取り組むことが大切だと訴えた。

また、サンダンス映画祭の開催時期には、リセット、再始動、再生という意義があるとし、映画祭がアメリカという壮大な物語に挑み、新たな視点で描いた作品を多く紹介していることを誇りに思うとも述べている。

2027年サンダンス映画祭の候補地は3都市に

これまでサンダンス映画祭はユタ州パークシティで開催されてきたが、2027年は開催地が変わる予定だ。Los Angeles Timesによると、6つの候補地からコロラド州ボルダーとオハイオ州シンシナティ、またはユタ州ソルトレイクシティ&パークシティの組み合わせが絞り込まれたという。ジョージア州アトランタとケンタッキー州ルイビル、ニューメキシコ州サンタフェは候補から外された。

候補地には、「多様なサンダンス・コミュニティを継続的に育成し、次世代のインディペンデント映画制作者にインスピレーションを与える方法を示すことに加え、映画祭を開催するための倫理観や公平性の価値観、インフラ、運営能力」といった資質が考慮される。

サンダンス・インスティテュートが発表した経済効果報告書によると、2024年には14万1,000枚以上の映画祭チケットが販売され、オンライン視聴者数を合わせると、その合計は36万1,000枚以上に上ったという。フェスティバルの来場者数は7万2,840人で、そのうち約2万4,200人が州外からの来場者だった。州外からの来場者は、映画祭期間中にユタ州で1億640万ドル(現為替で約156億円)を消費したと推定されており、来年以降の開催地にも大きな経済的恩恵をもたらすと見込まれている。

《Hollywood》
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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。

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