ベルリン国際映画祭は、拠点となるポツダム広場周辺を再び活性化させる試みの一環として、新上映会場と映画祭ハブを設置することを発表した。
Screen Dailyによると、かつては映画祭やヨーロッパ映画市場向けの主な上映会場として、ポツダム広場のソニーセンター内にあったシネマコンプレックスCineStarが利用されていた。しかし、その閉鎖以来、同広場の近くにあるCinemaxX Berlinも座席数を減らし、広場周辺では上映スペースが減少していた。また、アレクサンダー広場のCineStar Cubixは、ポツダム広場や展示会場のマルティン・グロピウス・バウから遠いため、イベント参加者から不満の声が上がっていたという。こうした課題を解消するためにベルリン国際映画祭の主催者は、ポツダム広場に隣接したマレーネ・ディートリッヒ広場にあるステージ・ブルーマックス・シアターを、約500席を誇るプレミア上映会場に生まれ変わらせると発表。この新上映会場は映画祭の主要会場となるベルリナーレ・パラストからも近く、2025年のイベントで新しくスタートする長編コンペティション部門「パースペクティブス」の会場となるほか、他部門の主要作品のプレミア上映も行われる予定だ。
また主催者は映画祭の開催中、マレーネ・ディートリッヒ広場にフェスティバルのハブとなる「ベルリナーレ・ハブ75(Berlinale HUB75)」を仮設する計画も発表した。このハブでは、映画祭の参加者向けに一連の無料モーニング座談会やイベントが開催され、業界や映画制作者のゲストのためにネットワーキングスペースも提供される。
The Hollywood Reporterによると、ベルリン国際映画祭でディレクターを務めるトリシア・タトル氏は、2022年に主要映画館の閉鎖・再開発が行われて以来、ポツダム広場周辺の活気が失われつつあったと認め、「これらの新しい会場は、徒歩でよりアクセスしやすい映画際の中心地を再構築し、このエリアに再び活気と注目を取り戻すという長期的な計画の一環です」と語った。ベルリン国際映画祭の全会場については12月に明かされ、イベントプログラムの詳細は2025年1月に発表される。第75回ベルリン国際映画祭は、2025年2月13日から2月23日まで開催予定。