Netflixの広告付きプランのユーザーが急増中で、同プランの月間アクティブユーザーが全世界で7,000万人を超え、1年前の1,500万人、半年前の4,000万人から飛躍的な伸びを見せていることが明らかとなった。
米国での広告付きプランは6.99ドル(現為替で約1,080円)で、広告なしのスタンダードプランは15.49ドル(約2,400円)、プレミアムプランは22.99ドル(約3,600円)となっている。
The Hollywood Reporterによると、Netflix新規ユーザーの半数以上が広告付きプランに加入しており、この成長を後押ししているという。同社は、12月25日に開催されるNFL(米プロアメリカンフットボールリーグ)2試合のスポンサーとして、米国最大のスポーツベッティング会社FanDuelと大手電機通信企業Verizonを起用し、広告枠を完売したと発表。また、Netflixは試合の視聴数を測定するために視聴数分析会社ニールセンと協力し、ファーストパーティのストリーミングデータを組み込むことも明かした。さらに、Netflixは2025年1月より米国・カナダなどで独占配信する格闘番組「WWE Raw(原題)」の視聴数などを測定するために、ソフトウェア企業VideoAmpと提携している。その他にも、12月に配信開始を控えた人気韓国ドラマ「イカゲーム」シーズン2のために、韓国の自動車メーカーKIAをはじめとする多数のスポンサーを迎えたことも発表。韓国の番組がNetflixで単独の冠スポンサーを持つのは初となる。
スポーツ番組のライブ配信が大きな転機に
Netflixにとって広告事業の成長は、ライブ番組への積極的な参入という重要な転機を迎えている。11月16日にライブ配信される番組「ジェイク・ポールvsマイク・タイソン」は、史上最も視聴されるボクシングマッチになると予想されていたほか、クリスマスにライブ配信されるNFLの試合も一大イベントとして宣伝されている。
同社は前回の収支報告会で、2026年まで広告は収益の主要な原動力にはならないかもしれないが、広告プランのユーザーが急増している事実をバネに、いずれはストリーミング広告が主要プレーヤーになる可能性があると述べていた。
2025年の広告収入成長率が2倍になるとの予想
IndieWireによると、米投資会社Evercore ISIのアナリストが、2025年におけるNetflixの広告収入成長率は2倍になると予測。Evercore独自の計算では、来年の広告収入は30億ドル(約4,600億円)を遥かに超える可能性があり、2026年にはNetflixの総収入の10%になると見られている。第3四半期にNetflixが株主に向けた報告書には、広告枠が増えすぎたことで、その枠を十分に収益化する能力が追い付いていないと記され、“嬉しい悲鳴“状態だと示唆されていた。2025年もNetflixの広告収入が、さらなる増加を続けることは間違いなさそうだ。