TikTokがユーザーの映画館への動員に貢献しているとの調査結果、33%が新作を観に劇場へ

TikTokのユーザーは、少なくとも月に1回映画館へ行く確率が非ユーザーよりも44%以上高くなるとの結果

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TikTokがユーザーの映画館への動員に貢献しているとの調査結果、33%が新作を観に劇場へ
Solen FeyissaによるPixabayからの画像 TikTokがユーザーの映画館への動員に貢献しているとの調査結果、33%が新作を観に劇場へ

世界中のアクティブユーザー数が15億人を超えるソーシャルメディアプラットフォームTikTokが、ユーザーの映画館への動員に貢献していることが明らかとなった。

The Hollywood Reporterによると、最近、TikTokが調査を実施し、TikTokユーザーの33%が「映画館で新作映画を観た理由はTikTok」だと答え、47%が新作映画についてTikTokで知ったと回答。

TikTokで新作映画を見つけたユーザーは42%が上映時間を調べ、36%がチケットを購入したと答えており、TikTokのユーザーは、少なくとも月に1回映画館へ行く確率が非ユーザーよりも44%以上高くなるとの結果が出ているという。米国におけるTikTokのユーザー数は約1億7,000万人で、全体でみても映画とテレビは、TikTokで4番目に視聴されているコンテンツ・カテゴリとなっている。

TikTokを宣伝に活用した『ツイスターズ』が大ヒット

TikTokが及ぼす影響を一早く取り入れた例として、今年2月にユニバーサルはアクション・アドベンチャー映画『ツイスターズ』の単独チャンネルを立ち上げ、28万人以上のフォロワーと830万件の「いいね」を獲得している。このチャンネルは、スーパーボウルで映画の予告編を公開したと同時にTikTokキャンペーンをスタートし、マーケティングチームは予告編から抜き出したコンテンツを毎日投稿し、映画の認知度を高めていった。

@twistersmovie

戦略の一部には、ユーザーが4DXで映画を観賞したビフォー&アフターのリアクション動画をTikTokに投稿する、ユーザー参加型のプロモーションもトレンドとなり、スタジオは映画の舞台裏映像やプレスツアーの様子も共有。TikTokをフル活用した『ツイスターズ』は、北米オープニング週末興行収入で8,050万ドル(現為替で約116億円)を叩き出し、まさに“竜巻”を起こす大ヒットを記録した。

@realmousevibes We survived an F5 tonight #Twisters #twistersmovie #4dx @4DX ♬ original sound - ✌🏽 Mouse Vibes ✌🏽

調査によると、TikTokでトレンドを活用した広告は「ユーザーを惹きつける」確率が1.5倍高くなり、TikTokの映画ファンの39%が、トレンドやユーザーに提示されたチャレンジが映画館へ行く決断に影響を与えたと答えている。

TikTokのエンターテインメント部門で責任者を務めるエドヴィン・ダプセヴィク氏は、エンターテインメント企業とソーシャルメディアのコラボレーションについて、「エンターテインメント業界のクライアントがプラットフォームを最大限に活用し、自社の特異な才能だけでなく、企業が所有するIP(知的財産)のユニークさや映画の舞台裏を見せることで娯楽作品の消費者との間で親近感や共鳴を生み出し、そのコンテンツをリアルタイムで楽しみたいという気持ちが起きると思います」と述べた。

8月にTikTokは、映画スタジオや動画ストリーミングサービスが、特定の作品やフランチャイズに関連する「For You」フィードのコンテンツを利用できるプロモーションソリューション「TikTok Spotlight」を展開。企業は同ツールを使うことで、近日公開予定の映画やライブラリ作品に関連するコンテンツをフィーチャーしたTikTok動画にリンクを追加できる。このリンクは、あらすじやキャスト情報、チケット購入リンクなど、作品に関連したコンテンツを集めたページにユーザーを誘導することが可能で、「TikTok Spotlight」の効果も徐々に現れているのかもしれない。


『ツイスターズ』の他にも、6月に北米公開された『バッドボーイズ RIDE OR DIE』もTikTokをプロモーションに活用しており、今後も映画スタジオとTikTokのコラボレーションが増えていきそうだ。

調査結果はこちらから
《Hollywood》
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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。

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