ここ近年、英語圏で外国語コンテンツのストリーミング視聴率が急増し、過去4年間で24%増加したことが明らかとなった。
IndieWireによると、市場調査会社Ampere Analysisが、米国、英国、オーストラリア、カナダ、デンマーク、スウェーデン、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、ポーランド、スペイン、トルコで調査を実施。対象となる18~64歳の10,000人が、どれぐらい配信サービスで外国語コンテンツを視聴しているのか、また英語圏の人々が外国語コンテンツを字幕付きで視聴している割合も調べた。その結果、英語圏(米国、英国、オーストラリア、カナダ)の18~64歳のストリーミング・ユーザーの54%が、外国語コンテンツを「かなり頻繁に、または時々視聴している」と回答。この数字は、2020年初旬に行われた同様の調査で弾き出された43%から大幅に増加している。2020年初旬といえば、2億6,500万回以上視聴された韓国発のNetflixオリジナルドラマ「イカゲーム」がリリースされる18ヵ月前となり、本シリーズの世界的な大ヒットにより、英語圏で外国語コンテンツの人気に火がついたのではないかとも見られている。
若年層に外国語コンテンツが人気
同調査の年齢デモグラフィックにおいて、やはり外国語コンテンツを真っ先に受け入れているのは若年層で、18~34歳の66%が定期的に海外コンテンツを視聴しているとの結果に。しかし中高年層も追い上げており、45~64歳の数字も2020年の30%から41%に増加しているという。
ADVANCED TELEVISIONによると、外国語コンテンツの字幕視聴については、米国と英国、カナダ、オーストラリアの視聴者は字幕を好んでいることが明らかに。回答者の28%が、外国語で制作されたコンテンツを英語字幕で視聴することを「楽しんでいる」と答え、吹き替えで視聴していると回答したのは19%だった。対して、英語圏ではないフランスとドイツ、イタリア、スペインは吹き替えを好む傾向にあり、一般的に英語が普及していて現地語での吹き替えが少ない北欧諸国とオランダでは、字幕が好まれていることも判明している。
外国語コンテンツの利点
Ampere Analysisは、「視聴者が外国語コンテンツを好む傾向は、ストリーミングサービスにとって朗報」だと調査結果をまとめている。なぜなら、外国語コンテンツは市場によっては制作費用が低く、コストパフォーマンスが高いため、次々に作品を制作し、新しいコンテンツを求める視聴者のニーズを満たすことが可能だからだ。さらに、AI(人工知能)による字幕・吹き替え制作の発展により、国際的な作品を好む消費者に外国語コンテンツを安価で提供することが、より容易になる。
特にNetflixは外国語コンテンツに力を入れており、ストリーミング競争で一歩先を行くNetflixにならって他の配信サービスも続くようになれば、今後も外国語コンテンツのストリーミング視聴率が増加の一途を辿りそうだ。