米映画スタジオと配給会社がアカデミー賞ノミネート作品の上映館数を拡大、対象映画の興行収入が急上昇

アカデミー賞ノミネートが興行収入アップに貢献している。

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米国の映画スタジオと配給会社が、第96回アカデミー賞作品賞にノミネートされた映画の上映館数を拡大し、対象となった作品の興行収入が急上昇していることが分かった。

Screen Dailyによると、北米で公開28週目を迎え、13部門で最多ノミネートを果たしたクリストファー・ノーラン監督による『オッペンハイマー』は、1月第4週目の週末に上映館数が254館から1,262館へ拡大され、その週末の興収は100万ドル(約148億円)に。ボックスオフィス(映画興収ランキング)では25位から16位へランクアップし、3億2,820万ドル(約486億円)という北米累計興収を叩き出している。

実際に起きた連続殺人事件の映画化となり、Appleスタジオが製作したマーティン・スコセッシ監督の『キラーズ・オブ・フラワームーン』はパラマウントの配給で劇場公開され、公開15週目の週末に16館から941館へ拡大。ボックスオフィスで、45位から24位へアップした同作の週末興収は3.8%増の22万ドル(約3,250万円)となり、北米累計興収は6,760万ドル(約100億円)に。

ヨルゴス・ランティモス監督による『哀れなるものたち』は、公開8週目で1,400館から2,300館に上映館が増え、興収は先週末比で43%増の300万ドル(約4億4,400万円)、北米累計興収は2,480万ドル(約367億円)となった。コード・ジェファーソン監督による風刺映画『アメリカン・フィクション』は852館から1,702館に増え、先週末よりも65%増となる290万ドル(約4億2,900万円)を売り上げ、北米累計興収は1,180万ドル(約174億円)に達している。

公開7週目となるジョナサン・グレイザー監督のホロコースト映画『関心領域』は82館から317館へ拡大され、ボックスオフィスでは6位アップで15位にランクイン。興収は先週末より142%増の110万ドルとなり、北米累計興収は300万ドル。その他にも、アレキサンダー・ペイン監督による公開14週目の『The Holdovers(原題)』が127館から1,267館、公開16週目のジュスティーヌ・トリエ監督の『落下の解剖学』は25館から380館に増え、両作ともに興収がアップした。

米国では作品賞のほか、長編アニメーション賞にノミネートされた映画も公開規模拡大の対象となっている。北米で公開7週目となる宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』は580館から610館へ拡大されたが、先週末の興収は66万ドル(約9,700万円)で21.8%減少。しかし、同作の北米累計興収は4,420万ドル(約65億4,000万円)をマークし、『Pokemon The Movie 2000(原題)』を抜き、北米で歴代3位の興収を記録したアニメ映画となった。

《Hollywood》

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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。

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