Photo by Justin Sullivan/Getty Images
ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(以下、ワーナー)がお蔵入りを発表した映画『Coyote Vs. Acme(原題)』を他の配給会社に売り込むことを許可していることが明らかになったとIndieWireが報じている。ジョン・シナとウィル・フォーテが出演するこの実写/アニメーション映画は、11月9日、ワーナーの第3四半期決算に対する税金控除のためにお蔵入りになると発表されていた。映画は7,000万ドル(約106億円)のプロジェクトとして2022年にニューメキシコ州で完成し、7月21日にMaxで配信される予定だったとという。
そして今回、ワーナーの映画部門責任者マイク・デ・ルーカ氏とパム・アビディ氏、アニメーション部門責任者ビル・ダマシュケ氏は、新たな方針として『Coyote Vs. Acme』を他の配給会社に引き取らせることを決定した。ワーナーはこの作品がお蔵入りになっているにもかかわらず、俳優たちにストリーミングボーナスを支払うことに合意していたからだ。本作のキャストとスタッフは、ワーナーが本作を封印したことを“反芸術的”であるとソーシャルメディア上で非難していた。
本作にはルーニー・テューンズのキャラクター、ワイリー・コヨーテが主人公としてが登場するが、ワーナーのアイコン的存在となるキャラクターであることから、米国でもこのニュースは大きな話題となっているようだ。
グリーン監督は「3年間、ワイリー・コヨーテという、史上最もしつこく、情熱的で、たくましいキャラクターの映画を作ることができて幸運だった。私は、このプロジェクトに何年も魂を注いでくれた素晴らしいチームに囲まれていたし、私たちは皆これらの歴史的なキャラクターの遺産を尊重し、実際に正しいものにしようと決意していた。テストでは観客に受け入れられ、素晴らしい点数で報われたが、ワーナーの決定に打ちのめされた。しかし、ワイリー・コヨーテの精神に則り、復活力と粘り強さが勝利をもたらした」とコメントしている。
Deadlineによると、Amazonプライム・ビデオとMGMの映画・ストリーミング・劇場部門の責任者であるコートネイ・バレンティ氏が、ワーナーで製作・開発部門の社長を務めていたときに、この映画の大ファンであり中心人物であったこともあり、Amazonに渡ることが有力視されているという。