ストリーミング視聴者は、「何を鑑賞するか決めるために1日に10分30秒」を費やしていることが明らかに

今後は「メタデータ・コンテンツ(コンテンツ自体を説明するためのデータ)」機能とパーソナライゼーションが成功の鍵に?

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ストリーミング視聴者は、「何を鑑賞するか決めるために1日に10分30秒」を費やしていることが明らかに
Image by Freepik ストリーミング視聴者は、「何を鑑賞するか決めるために1日に10分30秒」を費やしていることが明らかに

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配信サービスが飽和状態となっている現在、数多くの作品が楽しめるようになり、視聴者は何を鑑賞するか決めるために1日に10分30秒を費やしていることが明らかとなった。

Media Play Newsによると、この事実がニールセンの新調査によって判明し、視聴者の中には10分以上も番組の選択に費やしても決めることが出来ず、そのうち20%が最終的に配信サービスで観賞することをやめ、テレビを観るなど他のことをしたと答えている。

ニールセン傘下のコンテンツ・メタデータサービスGracenoteが発表した「2023年の再生状況レポート」では、10分30秒という数字は2022年10月に費やされた11分以上よりは短いが、2019年の平均7分24秒よりは大幅に長くなっている。

世界では次々に新サービスが登場してオリジナル番組を製作しており、 米国、英国、カナダ、メキシコ、ドイツなど、ケーブル局とストリーミングにおける独自の作品数は、2021年の188万本から2023年には270万本以上に膨れ上がったという。その87%以上がストリーミングで視聴可能だというから、どの作品を観ようかユーザーが迷ってしまうのも無理はないだろう。

また、作品選びに時間がかかってしまう理由は、膨大なタイトル数だけではない。視聴するコンテンツを見つけるための配信ソースや、チャンネル数が増え続けていることも起因している。FAST(無料の広告付きストリーミングTV)や配信プロバイダー、アグリゲーター(コンテンツ配信を代行する企業)など、消費者がコンテンツにアクセスできるチャンネル数は地域全体で40,000にも近づいているとのこと。

Stream TV Insiderによると、特にFASTの普及が勢いを増している模様で、2023年6月の時点でデータベースに1,434のFASTチャンネルが登録されており、そのうち1,073が米国で視聴可能だとの統計が出ている。

コンテンツの移り変わりとサービスの急増に伴い、Gracenoteは、視聴者または特定の番組やジャンルに合わせたい広告主にとっても、関連性の高いコンテンツを表示する「メタデータ・コンテンツ(コンテンツ自体を説明するためのデータ)」機能とパーソナライゼーションが成功の鍵になると考えている。

メタデータ・コンテンツは、ムードやテーマ、設定やシナリオといった視聴者が特定のコンテンツを好む理由を提供し、プラットフォームがユーザーのために作品を選出する環境をサポートする。その他にも同機能は、パーソナライゼーションやレコメンデーションにより視聴者の選択疲れに手を差し伸べるだけなく、ターゲティングや収益化を改善するために広告の対象となるコンテンツの透明性を示し、ネットワークやジャンルの状況に適した機会を求めている広告主の役にも立つと、ニールセンは指摘している。

《Hollywood》

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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。