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5月から全米脚本家組合(WGA)が、そして7月に入り映画俳優組合 - 米国テレビおよびラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)もストライキを決行し、ハリウッド映画業界は歴史的瞬間を迎えようとしている。その分、様々な作品や世界中の映画製作・宣伝にも影響が出てきている。
NBCユニバーサル、ピケットライン沿いの樹木を剪定?
Varietyによると、WGAとSAG-AFTRAは火曜日、NBCユニバーサル社に対し、同社がストライキを妨害しているとして苦情を申し立てたとのことだ。ストライキ参加者たちは今週、ロサンゼルスのユニバーサル・スタジオの外側の歩道に並ぶ木々が伐採され、猛暑の中、日陰が奪われたことをソーシャルメディア上で指摘した。これに対しロサンゼルス市のケネス・メヒア会計監査官は、この件について調査中であると述べた。LA市議会議員のニティヤ・ラマン氏も「都市林業局(UFD)で調べた結果、この場所での木の剪定に許可証が発行されていないことがわかった」とツイート。ラマン氏によると、UFDと公共道路事業局は、警告を発することができるかどうか調べているとのことだ。
一方、NBCユニバーサルはVarietyへの声明で、バーハム大通りで行った木の剪定がデモ参加者に意図しない困難をもたらしたことを認識していると述べた。そして「それは私たちの意図したことではありません。NBCユニバーサルは、免許を持った樹木医と協力し、強風の季節を前に樹冠が軽くなるよう、毎年この時期にこれらの木を剪定してきました」と話している。
ヴェネチア国際映画祭、ラインナップ発表間近でハリウッド映画を含む選択肢を模索中
8月30日から9月9日まで開催される第80回ヴェネチア国際映画祭のラインナップは、あと1週間足らずで発表される予定だが、SAG-AFTRAのストライキにより、スターたちがプロモーションに参加できないことから、通常ハリウッド映画の多いオフィシャルセレクションにおける米映画の存在感が微妙なところだ。
Screen Dailyが映画祭関係者に確認したところによると、米国のスタジオやストリーマーは、それぞれ異なる決断を下しているという。ストライキでスターを呼べないのであれば、映画祭への出品を取りやめようと考えているスタジオもあれば、いずれにせよ作品とともに出席したいと考えているスタジオもいるようだ。そんな中、映画祭は7月25日のラインナップ発表に向け、大手スタジオやストリーマーの作品がキャンセルになった場合に備え、いくつかの映画を次点に置いているとのことだ。
また、ルカ・グァダニーノ監督の最新作『Challengers(原題)』はキャストのゼンデイヤ、ジョシュ・オコナー、マイク・ファイストらが出席できない可能性が高いものの、すでにオープニング作品として発表されており、注目を集めている。
Netflixのテッド・サランドス氏、ストライキについて心の内を明かす
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「このストライキは、私たちが望んだ結果ではない」とサランドス氏は、自身の幼少期の経験を引き合いに出しながら、ストライキ中の組合員から示された怒りに反論しようとした。そして「しかし、我々はそこで多くの仕事をしなければならない。複雑な問題が山積みだ。我々はできるだけ早く、公平で、業界にいるすべての人が将来に向かって前進できるような合意を得ることに全力を尽くしている」と話した。
また、ストライキを乗り切るためのオリジナル・コンテンツの備蓄量を尋ねられたサランドス氏は「テレビ、映画、台本なし、台本あり、ローカル、国内、英語、非英語、あらゆる種類のコンテンツを大量に制作していると前回の電話会見で述べた。それらはすべて真実だが、本当に重要なことは、ストライキを終結させ、私たち全員が前進できるようにする必要があるということだ」とコメントした。