『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』、オープニング興収が『アナ雪2』を超え1位に

アニメーション映画のグローバルオープニング興収で歴代1位を記録。ファミリー層を超える幅広い観客層、IP認知度の高さ、プレミアムフォーマットでの成功など様々なヒット要因が明らかに

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『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
(C) 2023 Nintendo and Universal Studios.All Rights Reserved. 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
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『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(C) 2023 Nintendo and Universal Studios.All Rights Reserved.

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、全世界で3億7,700万ドル(約500億円)のチケットセールスを記録し、2019年に公開された『アナと雪の女王2』の3億5,800万ドル(約473億円)を抜いて、アニメーション映画のグローバルオープニング興収で歴代1位の記録を樹立した。

本作では声優として、マリオ役にクリス・プラット、ルイージ役にチャーリー・デイ、ピーチ姫役にアニャ・テイラー=ジョイ、クッパ役にジャック・ブラックが参加している。アーロン・ホーヴァスとマイケル・ジェレニックが監督を務め、マリオとルイージらがキング・クッパの世界征服を阻止しようとする物語。

Varietyによると、イルミネーション、任天堂、ユニバーサルのコラボレーションによる本作は、メキシコ(約36億円)、イギリスおよびアイルランド(約26億円)、ドイツ(約18億円)、中国(約15億円)、フランス(約13億円)、スペイン(約11億円)、オーストラリア(約11億円)など海外70地域で公開されている。

本作はファミリー層が楽しめる作品でありながら、幅広い層の観客が訪れていることが特徴的だ。北米での興行収入をまとめているIndieWireによると、子ども料金で購入したのは全体の16%のみで、観客の84%が13歳以上、52%が25歳以上、70%が非白人の観客となっており、子どもだけでなく幅広い観客に売り込むことに成功している。これは典型的なブロックバスター映画に近しい観客層だという。さらに、人気のあるビデオゲームに対するブランド認知度と懐かしさに加えて、ポジティブな内容の口コミ、IMAX等のプレミアムな劇場フォーマットでの集客、ファミリー層をターゲットにした映画が数ヶ月間不足していたことなども成功要因だと考えられる。

ユニバーサル・ピクチャーズ・インターナショナルの配給担当プレジデントであるヴェロニカ・クワン・ヴァンデンバーグ氏は、「全体として驚異的な数字です」「この映画は、老若男女を問わず、さまざまな世代の人々に愛されている素晴らしいIPをベースにしています。業界にとって素晴らしいニュースです」とVarietyに述べている。

特にIMAXでは、海外で500万ドル(約6億円)、全世界で2,160万ドル(約28億円)を売り上げるほど人気が高い。このチケット売上は、アイルランド、イギリス、ドイツ、スウェーデン、オランダを含む22の市場においてIMAX社の過去最高のアニメーション作品となった。IMAXのCEOであるリッチ・ゲルフォンド氏は、「イルミネーションとユニバーサルは、この新しいフランチャイズを立ち上げ、世界的な興行収入で夏のブロックバスター・シーズンに向けて、素晴らしい勢いを築き上げました」と語っている。

なお、本作が未だ公開されていない国としては日本と韓国があげられる。日本では今年4月28日(金)より全国ロードショーを予定。

《伊藤万弥乃》
伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。