『すずめの戸締まり』などの海外配給を手がけるワイルドバンチ・インターナショナルが社名を「グッドフェローズ」に変更

『すずめの戸締まり』などの海外配給を手がけるワイルドバンチ・インターナショナルが、社名を「グッドフェローズ」に変更した。

ビジネス 企業動向
『すずめの戸締まり』などの海外配給を手がけるワイルドバンチ・インターナショナルが社名を「グッドフェローズ」に変更
Wild Bunch International Sales公式サイトより 『すずめの戸締まり』などの海外配給を手がけるワイルドバンチ・インターナショナルが社名を「グッドフェローズ」に変更

Photo:Wild Bunch International Sales公式サイトより

ヨーロッパ有数の映画配給・セールス会社であるワイルドバンチの配給部門であるワイルドバンチ・インターナショナルが、社名を「グッドフェローズ」に変更した。

ワイルドバンチ・インターナショナルは2019年のワイルドバンチの幅広い再編に伴い販売会社として独立し、同社の共同設立者であるヴァンサン・マラヴァル氏とブラヒム・シウア氏が運営している。今回の社名変更によって旧会社から名前も独立する形になるが、体制の変更はないとのことだ。

The Hollywood Reporterによると、パリに拠点を置くワイルドバンチは2018年、大株主である国際的な株式グループ・サピンダから、債務と株式の交換で救済されたとのこと。その契約の一環として、ドイツの金融業者ラース・ウィンドホルスト氏が支援するサピンダは、ワイルドバンチの株式を76%に増やした。

また、この再建案件には、新規コンテンツの開発・獲得のための3,500万ドル(約46億円)の融資も含まれていた。独立した販売会社を設立することで、ワイルドバンチが取り扱う作品の数を増やし、運営コストをより広範囲に分散させることを望んでいたのだという。

「グッドフェローズは現在、ワイルドバンチグループとは別に所有・運営されているが、両社は厳選された新規プロジェクトの開発・製作・参加を含む新しい共同出資契約を通じて、引き続き協力していく」とのこと。同社は1月に社名変更を記念したパーティーを開催したが、直前になって発表しないことを決定した。マーティン・スコセッシ監督の1990年の映画『グッドフェローズ』のタイトルを社名に使用する許可を得なければならなかったという。ちなみに「ワイルドバンチ」は、サム・ペキンパー監督の同名映画へのオマージュでもあった。

ワイルドバンチは、『アデル、ブルーは熱い色』『わたしは、ダニエル・ブレイク』『TITANE チタン』といったパルムドール受賞作品を手がけてきた。日本映画では、『すずめの戸締まり』、6月公開予定の是枝監督作品『怪物』などの海外配給を担当している。

《伊藤万弥乃》
伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。