急速に進化する生成AIが映像制作の現場に大きな変革をもたらす中、クリエイティブと法務、双方の視点からその未来と課題を探るセミナーが開催される。東京都の創業支援施設である東京コンテンツインキュベーションセンター(TCIC)は、「クリエイティブと法のあいだ:AI時代の映像制作を考える」と題したスペシャルセミナーを2025年9月9日(火)に開催すると発表した。
生成AIは、映像表現の新たな可能性を切り拓くツールとして期待される一方、著作権侵害のリスクや倫理的な課題、雇用の変容といった多くの論点を突きつけている。映像業界全体がこの新技術とどう向き合うべきか、模索が続く状況だ。本セミナーは、こうした業界の課題意識に応えるものだ。
山口ヒロキ監督が語るAI表現の最前線、中山創弁護士が法的論点を整理
セミナーは三部構成で、AI時代の映像制作を多角的に掘り下げる。
第1部「映像制作におけるAI活用のリアル」では、映画監督の山口ヒロキ氏が登壇。実際に生成AIを用いて制作したSF映画『IMPROVEMENT CYCLE』がプチョン国際ファンタスティック映画祭に入選するなど、AI活用の最前線を走る山口氏が、具体的な制作事例を交えながらAIを「表現上の選択肢」として選び取る思考プロセスを解き明かす。

第2部「クリエイターが知るべきAIと法の現在地」では、エンターテインメント法務を専門とする弁護士の中山創氏が、法的な観点から解説を行う。複雑な制作プロセスにおける素材利用のリスク、契約上の注意点、配信プラットフォームごとの規約など、クリエイターが自身の創作活動を守るために不可欠な法律知識や、国内外の法改正の動向について整理する。

第3部では、両氏によるクロストークを実施。「AIはどんな活用が可能か」「AIによって仕事はどう変わるか」という二大テーマを軸に、より実践的な議論が交わされる予定だ。
AI時代のクリエイターが生き抜くための指針
本セミナーの焦点の一つが、AI活用における具体的な指針だ。特に第3部のクロストークでは、企業が社内向けに定めるべきガイドラインの策定ポイントや、クリエイターが契約を結ぶ際に注意すべき点など、実務に直結するアドバイスが提供される。
AIを単なるリスクとして避けるのではなく、いかにして創造的なパートナーとして共存していくか。本セミナーは、そのための具体的な方法論と戦略的視点を得る貴重な機会となるだろう。
開催概要は以下の通り。
日時: 2025年9月9日(火) 18:00~19:30 (開場 17:30)
開催形式: リアル開催
会場: 東京コンテンツインキュベーションセンター(東京都中野区)
定員: 60名
参加費: 無料
申込締切: 2025年9月9日(火) 12:00
主催: 東京コンテンツインキュベーションセンター(TCIC)
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