ゲーム分野と音楽分野では利益が急増したが、映画分野は業績が振るわなかったことが明らかとなった。
IR資料によると、ゲーム&ネットワークサービス分野は、プレイステーション®5の好調な売上およびサードパーティ・ソフトウェアとハードウェアの増収を背景に、16%増の1兆6,823億円を稼ぎ出し、分野別ではソニーのMVPに。同分野の営業利益は売上高の増加と収益性の向上を反映して、37%増の1,181億円となった。
音楽分野は売上高4,817億円を計上し、音楽制作および出版におけるストリーミング収入の増加で14%の増益に。営業利益は、デジタル収入の増加とチケット販売プラットフォームのイープラスとの連結などにより、28%増の974億円となった。
音楽分野の好調な業績は、2024年第3四半期やタイラー・ザ・クリエイターやATEEZのアルバムがヒットし、ビヨンセのアルバム『カウボーイ・カーター』がグラミー賞の最優秀アルバム賞を受賞した影響が大きい。
映画分野の業績は不振
対して、2024年は映画分野の業績が振るわなかった。売上高は9%増の3,982億円だったが、営業利益は18%減の340億円となった。ソニーは、営業利益の減少は劇場公開のマーケティング費用の増加が理由だとしている。
ソニーの次期CEOである十時裕樹氏は決算発表記者会見で、ハリウッドのストライキの影響もあり、『スパイダーマン』や『ジュマンジ』シリーズの次作をはじめ、主要劇場公開作が2026年度に延期されたことに言及。また、カリフォルニア州で発生した山火事については、ソニーは状況を注視しているが影響は小さいとしている。
さらに同氏は、2024年12月にソニーがKADOKAWAと戦略的な資本業務提携を締結したことも強調した。今年初旬にソニーは、KADOKAWAのIPを世界的に実写映画やテレビドラマに翻案するなど、事業を拡大することを目指してKADOKAWAの筆頭株主となったため、映画分野における今後の成長にも期待できそうだ。
Other Sources:Variety、The Hollywood Reporter