ソニーグループ株式会社が所有する米国の定額制ビデオ・オン・デマンド（SVOD）配信サービスであるクランチロールが、日本のアニメフォーマットを宣伝して主力作品の新たなファン層を獲得するために、米国で24時間無料の広告付き配信チャンネル（FAST）を開設したことが明らかとなった。
クランチロールは、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントとソニー・ミュージック・エンタテインメントの子会社である日本のアニプレックスとの間で、独立して運営されている合弁事業。ソニーは、2021年にAT&Tから11億8,000万ドルで買収したクランチロールと、2019年に買収したアニメ配信サービスFunimationを合併。それにより、クランチロールは1,000万人以上の有料加入者を獲得し、Varietyによると、FASTの開設で新規ファンが増えることを期待しているとのこと。クランチロールとソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント傘下Game Show Network（GNS）のコラボレーションとなるFASTのチャンネルは、10月11日よりLG ChannelsとRoku Channel、およびVizio WatchFree+にてスタートし、また10月17日よりAmazonのFreeveeでも開始予定。
クランチロールのチャンネルでは、日本アニメを英語に吹き替えた旧作を中心にラインナップが揃っており、新作やプレミアムアニメのコンテンツは引き続き、クランチロールのサブスクリプションおよび広告付きVODサービスで提供されるとのこと。開始時にFASTのチャンネルで視聴できる作品には、「堀さんと宮村くん」、「王様ランキング」、「憂国のモリアーティ」、「PSYCHO-PASS サイコパス」、「ありふれた職業で世界最強」、「シュガーアップル・フェアリーテイル」、「不滅のあなたへ」、「コードギアス 反逆のルルーシュ」などがある。
TBIVisionによると、クランチロールは、視聴者が日本で制作された幅広いアニメ作品を視聴できることを目指しており、その他のプロモーション番組やジャンル・テーマ別の番組も紹介する予定だという。クランチロールのラウール・プリニ氏は声明にて、「我が社のチャンネルは、新しい世界と新しい物語、新しいキャラクターを発見するために視聴者を導くアニメの世界の入り口です。そして、開設時には配信パートナーのおかげで何百万人ものファンが、世界を席巻している媒体に容易にアクセスできるようになりました」と発言。
GNSの配給部門で執行副社長を務めるティム・キャリー氏は、「GNSは、このチャンネルに対するプラットフォーム・パートナーからの大きな反響に心が沸き立っています。これは、 クランチロールのブランドとライブラリの力の証しであり、市場に同チャンネルを導入できることに感謝しています」と述べた。
